2020年10月24日付の朝日新聞デジタルが、

「カートリッジ会社がキヤノン提訴へ 「仕様変更は違法」」

という見出し記事を報じていました。

 

記事によれば、

・リサイクル品を製造・販売する「エコリカ」が、27日に「キヤノン」に訴えを起こす

・訴訟理由は、カートリッジの仕様変更による独占禁止法違反で、請求額は3千万円

・ICチップの仕様変更により、インクを再注入しても「インクなし」と表示される

・そのため、リサイクル品を製造・販売できなくなった

・キヤノンの純正品のシェアが2020年9月には95%に上昇し、市場を独占している

・独占禁止法が禁じる「競争者に対する取引妨害」にあたるなどとエコリカは主張

・メーカー独占は、消費者にとっても、リサイクル品か純正品かを選択する余地がなくなる

・・・

といった状況のようです。

 

消費者目線で捉えれば、当然、「純正品」、「リサイクル品」、「純正品準拠品」など、購入の選択肢が複数あった方がありがたいです。

 

ただ、メーカー目線で捉えれば、エコリカのビジネスモデルは、使用済み純正品のカートリッジを家電量販店などで回収し、インクをカートリッジに補充して、純正品より安い価格で販売しているので「俺たちが多額の資金でプリンターを開発し、消耗品のインクをうちの使用済みカートリッジに補充して利益を得るとは、タダ乗りではないか」と捉えるでしょう。

 

我々消費者も、「プリンターメーカーは、プリンター価格を安く抑え、消耗品のインク代で儲けるビジネスモデルだ」と半ば、諦めているので、割高感のある純正インクをしぶしぶ購入してきました。

でも、他の家電の「消耗品」と比較すれば、

・照明器具の「電球」

・「乾電池」を電源とした家電

・洗濯機における「洗剤」

などは、「選択肢が複数」あるのに対し、プリンターは、記事にあるように「ほぼメーカー独占」です。

 

この問題を解決するには、プリンターを適正価格で販売し、純正インク代を値下げして、リサイクルカートリッジのエコリカと「ガチンコの品質・価格勝負」をすればよいのだと、消費者的には思います。

 

私自身は、

・本体価格の安いレーザープリンターよりインクジェットプリンターを選択

・本体サイズが大きくて家庭用としてはスペース的に邪魔になるレーザーよりインクジェット

・たくさんの印刷をしたいときは、コンビニ利用

・プリンターは、スキャナー機能をメインにし、印刷は、年賀状印刷など限定的にする

といった使用方法で、できるだけ、家庭用プリンターで印刷しないように使っています。

 

つまり、プリンターの印刷使用頻度を下げているので、「ちょっと高いけど、純正品が安心だから純正品を買うか」という選択です。

しかし、エコリカの世間の認知度や「少しでも安くインクを買いたい」というニーズはある程度高いので、「消費者の選択の幅を狭めている」という裁判所の判断がでるような気がします。

裁判所の判断に注目です。

 

話は少しそれますが、家庭用プリンター大手の、キャノン、エプソン、ブラザーは、いずれも企業理念として「環境経営」を謳っています。

しかし、機種毎に多岐にわたる各種カートリッジは、「環境に優しくない」です。

プリンターを買い換えると、予備品として購入していたインクは、たいてい使えません。

また、そもそも、「インクの中身がなくなったらインクカートリッジごと交換」も環境にやさしくなく、直接インクを補充できる方式の機種を増やしてほしいものです。

 

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