2020年10月13日と15日に「非正規労働者の待遇格差をめぐる最高裁の判決」が相次いでありました。
13日の判決では、
・退職金や賞与は、正規と非正規の責任や役割の違いに対する後払いとして格差を妥当
とし、
15日の判決では、
・勤務手当や扶養手当を非正規に支払わないのは不合理
としました。
つまり、13日は「格差を妥当」、15日は「格差は不合理」と真逆の判断をしたわけです。
多くのメディアや識者が、この判決の違いを解説していますが、
・退職金や賞与の位置づけが広義に解釈できる点
・手当は、位置づけが限定される点
という観点で、正規と非正規の格差に対して「真逆の判決」が下されたのでしょう。
日本の場合、欧米の労働体系と違って、明確な「職務記述書」が労働者には示されます。
一方、日本の場合は、これまでの経験年数など「人に仕事が与えられる」形式です。
日本は職能給、欧米は職務給などとも言われますが、
つまり、
・日本型:人に対して仕事を与える
・欧米型:仕事に対して人を配置する
といった違いがあるので、日本の場合は、管理職でない限り、仕事の役割や責任の違いが正規と非正規で明確な区分けが不明確です。
13日の判決で、「正規と非正規の責任の違い」を明確に最高裁が判断したのか、詳しく調べていませんが、企業側が主張するように「退職金や賞与は責任や役割の重さに対する労働の後払い」といわれれば、そうともいえてしまいます。
しかし、15日の判決の「手当」は、「年末年始の疲労回復のため」、「家族を養うため」と目的が明確なので「正規、非正規に差はないでしょ」という判断でしょう。
けれども、この問題は、
・バブル崩壊後の人件費抑制
・一度採用したら、よっぽどでない限り正社員を辞めさせられない
・非正規を「安い労働力として捉える」風潮
・働き方の多様性(パート、アルバイト等)を認めない企業風土と日本の労働法
・同じ仕事内容にも関わらず雇用形態の違いで報酬体系、福利厚生が違う人事制度
・・・
といったことが積み重なって「非正規にしわ寄せ」が来た結果でしょう。
本来、「安い労働力」として捉えるなら、仕事内容は、「責任が軽い」、「業務の難易度も低い」仕事に非正規労働者は限定するべきです。
また、「正社員と同じような仕事をさせつつ、有期雇用として、人件費の調整弁」として非正規を捉えるのなら「正規労働者より割高な報酬体系」にするべきですが、そのような人事制度にしている企業は希でしょう。
そもそも、子育てや介護などさまざまな事情があって「短時間労働者」や「日数限定労働者」となっている人を「非正規」と呼ぶことすら「変だ」と捉えるべきでしょう。
「業務委託契約者」でない限り「勤務形態の違う正社員」として「年俸制」か「時間給制」、「日給制」かは別にして、『同一基準賃金、同一基準手当』であるべきなのです。
多様な働き方を認め、技術伝承や教育訓練を含め、各人の価値を有効的に最大限生かすことができる組織が、これからは労働者から選ばれ、優秀な人材が確保できるのかもしれません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ720号より)
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