2020年10月7日付の朝日新聞デジタルが、

「学術会議の名簿、事前提示せず 前回は官邸との折衝あり」

という見出し記事を報道していました。

 

記事によれば、(※筆者が要約)

・日本学術会議の会員は3年に1度、定数210人の半数が10月に交代する

・山極寿一・前会長(京大前総長)は、首相官邸に事前の説明や名簿の提示をしなかった

・その結果、会員の交代枠と同数の105人の推薦名簿を提出し、6人の任命が拒否された

・前回2017年の会員交代の際には、官邸の求めにより事前に交代枠を超える名簿を示していた

・2代前の大西隆元会長(東大名誉教授)は、17年秋の会員交代では110人超を提出した

・110人超の名簿は杉田官房副長官に提示し、最終的に105人が安倍首相(当時)に任命された

・14年秋の交代期には事前に名簿の提示は求められなかった

・16年夏の補充人事で、3ポストに各2人ずつ候補を提示すると、一部官邸に難色を示された

・結果として欠員になったため大西会長(当時)は、その後は、官邸に事前折衝した

・20年秋の交代期では、山極会長(当時)は官邸への事前説明や名簿の提示をしなかった

・山際氏曰く、ポストの数を超える名簿を提示しなかったのは、「それが常識だから」

・当時の会議幹部によると「山極氏は官邸と交渉していた。学術会議の独立性を示した」

・官邸幹部曰く、山極氏は「官邸は待っていたのに何もなかった」

・・・

ということのようです。

 

記事から読み解くと、

・実質的に任命拒否があったのは、今回の管首相が初めてではない

・16年夏の会員補充時に、3ポストに対して合計6名提示し、結果として欠員が生じた

・17年秋の交代期は110人を提示し、105人が選ばれて任命された

・20年秋の交代期は交代会員数と同数の105人を事前提示せず名簿を提出し6人が拒否された

ということです。

 

したがって、

・大西会長(当時)は、欠員が出るのを恐れ、官邸に事前にお伺いを立てた

・山際会長(当時)は、日本学術会議の独立性を理由にお伺いせずに名簿を提出した

ということです。

 

今回の報道で「初の任命拒否」と大々的に報道され、国民が「学術会議」に関心を持つこととなったのですが、それは、山際会長が、事前折衝しなかったことによる結果なので、ある意味、国民の関心と議論の元になった「功労者」です。

大西氏方式で山際氏が事前折衝していれば、メディアは今回の報道のように大騒ぎすることはなかったでしょうから。

私が「日本学術会議会長」だったら、ものごとを「穏便に済ませる」ために、大西氏方式をとったことでしょう(笑)。

 

少なくとも、2016年夏から、会員の任命は、首相による「形式承認」ではなくなり、「官邸の事前チェック」が入るようになっていたと言うことでしょう。

 

管首相が主張するように「会員は特別公務員となるのだから」・・・つまり、国が会員の任命(人事)に関与するのは当然、という考えは成立すると思えます。

しかし、一方、「学問の世界は独立性が担保されるべきだ」という「学術会議や左派系メディア」の主張も一理あります。

 

歴史的には、地動説を唱えた物理学者のガリレオは、学会はもちろん、国から非難され、その後のイタリアは、衰退した、という説を主張する人もいるように「学問の多様性」は国にとって重要なことです。

したがって「素行」以外の「学説や主張内容」で「国が人事を決める(会員を任命する)」のであれば、それは、大げさに言えば「学問の多様性を脅かすこと」になるでしょう。

 

個人的には、実質的な政策提言に大きな影響を与えるのではないのだから、「学術会議を御用学者集団」にしかねない狭い度量の官邸は、ちょっと情けないな、と思います。

「いろいろな意見があって国は成り立つもの」と、どーんと官邸は構えていればいいのです。

 

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