組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「QMS認証からFSMS認証に切り替える組織」について。
私がISOマネジメントシステムに関する仕事を始めた1990年代前半は、「マネジメントシステム規格は全ての産業が共通で活用できるもの」という発想でした。
品質マネジメントシステム規格であるISO9001は、1987年版が初版ですが当時は、明らかに「製造業をベースに作成された」規格でした。
その為、サービス業がISO9001を活用する際には、今考えると、色々な「珍解釈、珍適用」もたくさんあった気がします。
その後、マネジメントシステム規格は、品質、環境、情報セキュリティ、労働安全衛生といった全ての産業が共通に活用できるベーシックな規格による認証と産業でいえば、食品、医療、航空宇宙、道路輸送、自動車、情報通信といった産業別のセクター規格による認証と分化していきました。
食品安全マネジメントシステム規格の場合は、QMSの要求事項をベースに食品産業向けの要求事項が盛り込まれたISO22000(FSMS)やFSSC22000(ISO 22000の内容を包含し、さらにISO/TS 22002-1(またはISO/TS 22002-4)およびFSSC独自の追加要求が追加された国際規格)・・・つまり、「消費者に安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステム」へと発展してきました。
ただ、FSSCの場合は、「認証登録は原則製造サイト単位」です。
そのため、元々は、ISO9001を取得していた組織が、消費者やスーパーなど小売業からの要求でFSMSやFSSCを取得する場合、ISO9001を維持しつつ、食品安全マネジメント規格を追加認証するケースと、食品安全マネジメント規格のみの認証に切り替えるケースがあります。
結論から言えば、後者の場合、個人的には、
・営業所や物流倉庫などQMSでは対象で食品安全では非対象になった部門
の扱いが気になります。
多くの場合、すっかり、食品安全マネジメントシステム認証の対象外になったことで、「マネジメントシステムの運用すら放棄」してしまったような組織が多くみられる気がします。
食品安全マネジメントシステムは適用外だったとしても、品質マネジメントシステムは運用していたわけだし、認証を止めたといっても、QMSは事実上存在するのだから、例えば、目標管理や継続的改善などの運用状況を内部監査の対象として監査すればいいと思うのですが、「ISO的な」内部監査計画からは除外されてしまっているケースが殆どです。
また、少々マニアックな話ですが、こうした組織の会社パンフレットやウェブサイトでは「沿革」に「ISO9001取得」と「ISO22000取得」が出てきますが「ISO9001を返上」については明確に記述されていないので、現在維持されている認証はどの規格なのかが明確でないパンフレットや会社ウェブサイトが結構あります。
話題を元に戻しますが、品質マネジメント認証から食品安全認証に切り替えた組織には、食品安全マネジメントシステムの認証対象外となった部門でも、食品安全、あるいは少なくとも品質マネジメントシステムの継続的適用とマネジメントシステム内部監査の対象としてマネジメントシステムの活用をして行って欲しいものだと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ686号より)
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