2020年9月25日付の時事通信が、
「経営参画の権利ないがしろ 際立つ「鈍感さ」 議決権誤集計」
という見出し記事を報じていました。
この記事によれば、
・三井住友信託銀行とみずほ信託銀行で議決権行使書の誤集計が発覚した
・誤集計は、経営に参画するという株主の権利をないがしろにする重大な問題
・誤集計は、事務効率を優先した結果で、時代の変化に対して「鈍感」だ
・株主は、重大な経営判断や取締役人事などを承認する株主総会で議決権を行使できる
・株主総会の運営事務に関わる信託銀行には膨大な数の議決権行使書が届く
・日本郵便から本来配達される日の前日に届けてもらう「先付処理」を行ってきた
・その一方、総会前日に届いた行使書を集計しないという過ちを犯していた
・対象は上場企業1300社超に上り、誤集計は、海外の機関投資家に指摘された
・金融庁は2010年、議案毎に株主の議決権行使結果を明らかにするよう法制度を整備
・2017年には、機関投資家に対しても議案毎に議決権行使理由の開示を求めている
・株主の権利保護を通じて企業統治の向上を目指す時代の流れは鮮明だ
・現在も、議決権行使の8割は紙による郵送
・両信託銀は、インターネット経由の電子行使を促す取り組みを強化する方針
・・・
ということだそうです。
私にも議決権行使の案内が来ますが、そういえば、「郵送」です。
詳しくはわかりませんが、会社法で、株主総会の開催案内ルールが決められているのだと思いますが、私のように出張が多いと、留守にしている間に「臨時株主総会が終わっている」こともしばしばです。
インターネットで株主総会の案内や議決権行使ができればいいのになぁ、と毎回感じています。
会社ではないですが、私が所属している日本経営士会や品質管理学会も理事選任の案内などが届きますが、前者は「郵送」、後者は「ネット」です。
これだけ、世の中がリモートで動く時代なのに、仕事を通じていろいろな組織に訪問する機会が多いですが、日本企業の多くは、受注のメインが、未だに「FAX」という会社が多いです。
話を本題に戻しますが、各メディアの報道を見比べると、このニュースについてどこもかしこも「議決権の誤集計」と「意図しなかった過ち」のごとく報じていますが、記事をよく読めば「意図的な未集計」であり、悪質です。
また、なぜ、三井信託銀行とみずほ信託銀行の2行の同時発表なのでしょうか。
海外機関投資家の指摘で沈黙するわけにいかなくなり、金融庁や大手メディアがグルになって「さらっと報道」して罪の深さを軽くしているように思えてなりません。
また、両行のこの慣例は、想像ですが、安定株主がいて、結果が見えているような株主総会が多く、「前日分を加えなくても株主総会の結果は同じ」という甘えやおごりが、両信託銀行にはあったのだと思います。
記事では、三井住友信託銀行の西田豊専務が、
・繁忙月は議決権行使書が大量に届くため、正確かつ円滑に処理する必要があった
・法的チェックに甘さがあった
と語っていますが、「総会前日に届いた議決権は集計しない」慣例を知っていたのではないかと思います。
我々が知りたいのは「なぜ、前日分を集計しなかったのか」です。
それにしても、会議投資家からは「日本は遅れている」と広く知られる出来事ではないかと思います。
ちなみに、三井住友信託銀行のウェブサイトを確認しても、一切、このニュースに関することが掲載されていません。
https://www.smtb.jp/
いったいどういうつもりなのでしょう。
金融機関は、前例主義で、改革を拒み、ムラ社会だといわれることが多いですが、まさにその通りなんだな、と思うニュースです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ717号より)
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