組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「判定委員会からのコメント」について。
ISOマネジメントシステム認証制度では、「認証の決定」について、認証機関に対する要求事項(ISO/IEC17021-1:2015(9.5.1.2))で次のような規定があります。
(以下、規格から抜粋)
“認証機関によって認証の決定を割り当てられる者は、認証機関若しくは認証機関の組織統制の下にある法人のいずれかに雇用されるか又は法的に拘束力のある取決めの下になければならない”
「認証の決定」について、傾向として、日本における認証機関では、外資系機関は「レビュワー方式」、国内系機関では「会議体方式」(判定委員会、登録決定会議等)によって認証の決定を実施しています。
どちらの方式が、審議内容がしっかりしている、信頼性が高い、といった有意性は一概には言えません。
しかし、国内系と外資系機関で職員として勤務した経験がある私の感覚としては、「レビュワー方式の方が日程的な小回りが利くかな」と思います。
会議体で実施するとなると、会議体のメンバーに品質保証に精通した大学の先生や食品分野や航空宇宙といったセクター規格の組織が議題になっていると専門性のある有識者をメンバーにしているので、どうしても会議の日程調整が難しくなります。
そのため、会議体で認証の決定を実施する場合は、メンバーを多めに任命しておき、定足数を満たしやすいように工夫している機関もあるようです。
ちなみに、私の経験を含めて、認証の決定のプロセスで、「よくある指摘」として「○○について適切か否かが審査報告書に明記されていない」というものがあります。
確かに、審議する側からしたら。このような指摘をするのは当然です。担当した審査員からすれば、程度問題はありますが、「詳細を書いていたら全プロセスを詳述しなければならずキリがないよ~」という嘆きが出るでしょう。
そこで、審査プロセスを管理している部門としては、対策として、審査報告書様式に例えば、
「マネジメントシステムの継続的な関連性及び適用可能性」
「マネジメントシステムの有効性」
「認証文書、ロゴマークの使用」
「前回指摘事項の有効性」
・・・・・
といった項目を作り、「適否のチェックボックス」を作って記述させるようにするわけです。
こうしておけば、「審査員は、適合しているか、そうでないかをちゃんと確認しましたよ」と審査報告書で言及していることになります。
しかし、現実的には、審査報告書をチェックする立場でいえば、「何を根拠にそのような判断をしたのか」について、少しぐらいは、触れて欲しいものです。
最近は、組織不祥事が発生し、その組織がマネジメントシステム認証を受けていると、世間からは「認証機関は、ちゃんと仕組みを審査していたのか」といった声が上がります。
その際に、単に「適合していました」という結果だけが審査報告書に記載されているだけでは、認証審査の信頼性は低下してしまうと思います。
せめて、どんな文書や記録を確認したのかについて、審査報告書に記録しておくことが必要でしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ712号より)
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