2020年8月31日付の時事通信社が、
「百貨店、広がる空白県 そごう・西武など閉店 コロナも逆風」
という見出し記事を報じていました。
記事によれば、
・大手百貨店のそごう・西武は8月31日に、そごう徳島店など4店舗の営業を一斉に終了した
・徳島が全国で2番目の百貨店空白県となった
・百貨店は、他の小売り業態やインターネット通販(EC)との競合に押され苦境が続いてきた
・消費税増税や新型コロナウイルスによる外出型消費の落ち込みが逆風となった
・2019年の百貨店の全国売上高は5兆7547億円
・これはピーク時の9兆7130億円(1991年)から約4割減少した
・今年は8月末までに、13に上る日本百貨店協会加盟店が閉店した
・地方百貨店は「顧客が高齢化し若者もECや郊外の商業施設に流れ打つ手がなかった」と語る
・追い打ちを掛けたのが新型コロナで、営業時間短縮や臨時休業を余儀なくされた
・3月以降、全国で売り上げが急減し、回復を見通せない状況が続く
・2019年10月の消費増税後に売り上げを支えた訪日外国人客も入国制限に伴いほぼ消失
・・・
(引用、ここまで)
そごう徳島店には、ここ7~8年で4回訪問しているので、記事を読んだ時は、少し寂しい気持ちになりました。
しかし、記事にもありましたが、日本の現状を考えれば、繁華街にある百貨店という業態は、なかなか成立しないのでしょう。
思いつくまま「百貨店凋落」の原因を上げれば、
・国内の客層が高齢化して購買力がない
・地方の駅前百貨店は、車で訪問すると駐車場代がかかり消費者は敬遠
・消費者の多くが、日用品は、割安な郊外のスーパーや専門店を利用するようになった
・消費者の多くがネット通販を利用するようになった
・情報が増え、衣食住の生活用品全般を対面式の百貨店で購入する必要がなくなった
・対面式販売=販売員に売りつけられる、という認識に消費者はなり敬遠するようになった
・所得格差が広がり、かつ、実質賃金の低下で、中間層が百貨店を利用しなくなった
・・・
といったことが「百貨店ビジネスが成り立たない」理由ではないでしょうか。
実際、私も主要駅に隣接する百貨店は、比較的利用しますが、購入するものは、書籍、贈答品、デパ地下の弁当程度です。
そして、スーツは、青山やはるやま、コナカといった紳士服量販店、普段着はユニクロやGUだし、家具は郊外店のニトリ・・・と、百貨店での買い物は限定的です。
百貨店を利用するとしたら、「価格以外の価値を感じたいとき」でしょう。
百貨店には、ティファニーやグッチといった宝飾品の直営店が入っていますが、同じ商品が直営店の価格より2割安くドン・キホーテで購入できるとしても、「自分用」でない限り、例えば「三越銀座のティファニーで買ったものを大事な人にプレゼントした」という「体験」が欲しい時でなければ、なかなか百貨店を利用することはないでしょう。
話題は変わりますが、中学、高校生の時は、私は、今より百貨店によく訪れていた気がします。
それは、「特設会場の美術品、芸術品」を見に行くためです。
当時は、ピカソやマティスの絵が好きで、百貨店の特設会場で展示されていると、ひとりでよく見に行ったものです。
北海道の北見駅前にかつてあった東急百貨店のあった建物には、今では北見市役所が入っています。2020年8月31日には、山形市、福島市の地場百貨店も閉店したそうですが、徳島市の旧そごうを含め、その後、どのような活用がされているか、いつの日か、チェックしに行きたいと思います。
【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと』
(ブイツーソリューション刊)
http://www.v2-solution.com/booklist/978-4-434-26285-2.html
“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)
http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001