メディアでは、あまり報道されていませんが、2020年7月25日夜(現地時間)に、インド洋の島国モーリシャス沖で海運大手の商船三井が運航する貨物船「WAKASHIO」が座礁する事故が発生しました。
(※ばら積み貨物船「WAKASHIO(わかしお)」(パナマ船籍)。船の所有は長鋪汽船の関連子会社(OKIYO MARITIME)で、運航は商船三井が担っている。貨物船の全長は約300m、全幅50mのケープサイズ・バルカーで、乗組員は20人(報道では乗組員はインド人、スリランカ人、フィリピン人で長鋪汽船所属))
貨物船は、中国からシンガポール経由でブラジル方面に向かう途中だったそうで、船には貨物は積まれておらず、燃料の重油3800トンとディーゼル油200トンが積まれていたそうです。
船舶の座礁事故で乗組員など人への影響がなかった場合、次に心配されるのは「油の流出」です。
この座礁事故は、残念ながら、燃料油(重油)を流出させてしまいました。
しかし、時系列でニュース記事を調べると、油により海洋汚染が生じたのは、8月5日(現地時間)と座礁してから、日数が経過しています。
船が座礁すると、海難救助船(サルベージ船)が船主の依頼でレスキューに向かうのが通常です。
(※今回、海難救助を請け負ったのは、オランダの大手サルベージ会社「SMIT Salbage」)
各報道を調べてみると、
・座礁した貨物船「WAKASHIO」はサンゴ裾礁へ船首からまっすぐ突っ込んだ(らしい)
・悪天候とうねりの影響で、船尾がサンゴ礁に接触し船体が損傷した
・サルベージ業者は、船体を維持しようとしたが、その試みは失敗し、船体が動き損傷した
ということのようです。
報道では、現在は、燃料油の流出は、燃料油を抜き出したことにより止まったようですが、油の流出(約1000トンの流出)による海洋汚染の被害は甚大なようで、海が元の状態に戻るまでに20年かかるという報道もあります。
油流出事故で日本人の記憶に大きく残った事故としては、1997年1月2日未明、島根県隠岐島沖の日本海で発生したナホトカ号重油流出事故です。
この時も海が元の姿に戻るには、10年以上かかるといわれていました。
それにしても気になるのは、事故の原因です。
2020年8月14日付の読売新聞(電子版)では、船の乗組員が捜査当局の調査に対して
「船が陸地に接近したのは、Wi-Fiの電波を得るためだった」
と話しているそうです。
日本では、自動車やバイク便、自転車の「ながら運転」による事故が多発していますが、今回の事故もある意味、元をたどれば、同じような事故原因です。
それと、複雑なのが、責任の所在です。
海運業界は、船主、乗組員の雇用、運行管理、船籍などが分業しているようです。
実質的な船主である「長鋪汽船」は、ウェブサイトによれば、資本金1600万円ですが、大型船を何隻も保有している船舶貸渡業者です。
https://www.nagashiki-shipping.jp/
船舶貸渡業のビジネスモデルがイマイチ理解できていないのですが、「船の座礁」というリスクは想定できても「Wi-Fiのために陸に接近して座礁」というケースは想定外で、おそらく緊急事態の対応訓練はやっていなかったのではないかな、と思います。
今後の報道に注目したいと思います。
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