2020年8月6日の阪神―巨人戦(甲子園)での巨人軍原辰徳監督の采配が注目を浴びています。注目を浴びたのは、巨人の増田大輝内野手(27)を8回裏に6番手投手として登板させたことです。
報道によると、日本のプロ野球の公式戦において、野手が登板するのは、2000年6月3日の五十嵐章人選手以来、20年ぶりだそうです。
なお、巨人軍に限れば、三原修監督が指揮を執っていた1リーグ時代の1949年4月8日の中日戦で外野手の野草義輝選手が7回から2イニングを投げて以来、71年ぶりです。
この采配に対して、巨人軍の監督経験者の堀内恒夫氏やヘッドコーチ経験者の伊原春樹氏は「やっちゃいけないこと」と批判し、巨人OBで大リーグ経験者の上原浩治氏や現役大リーガーのダルビッシュ投手は「すばらしい采配」と称賛しています。
堀内氏や伊原氏のような批判派の意見は、
・負け試合とはいえ、試合をあきらめるような選手起用はお客さんに失礼
・お金を払って観戦してくれているお客さんに投手を起用しないのは失礼
・相手チームに対して野手を投手起用するのは侮辱行為
・プロ野球界の盟主ともいえるジャイアンツのやるべき戦いではない
といった意見でしょう。
一方、賛成派は、
・トーナメント形式の高校野球と違ってプロ野球はシーズン全体で戦術を考えるのも
・過密日程において、中継陣を休ませるのも戦術で今回のケースは最善策
・中継ぎ陣を故障させて肝心な試合で起用できないことの方がファンを失望させる
といった考えだと思います。
個人的には、今の時代の野球ファンは、昔(130試合時代)より試合数が増えたし、今年は新型コロナで開幕が遅れ過密日程だから、大差の付いた試合(増田選手が投手起用された時点で0-11)で投手陣を休ませるのはやむを得ない・・・とジャイアンツファンだけでなく対戦相手のタイガースファンも原采配を理解する方が多いのではないかと思います。
ビジネスの世界ですが、経営学の神様と言われた経営学者のピーター・ドラッカー氏曰く、組織が持続的な成長をするために必要なことは、顧客満足とイノベーションですから、組織論の観点から「原采配」は、賛同されるのではないかと思います。
今回の「原采配」で、引き合いに出される話は、1996年のプロ野球オールスター第2戦のパリーグを率いた仰木彬監督とセリーグを率いた野村克也監督の采配です。
この時は、「9回裏全セの攻撃が二死無走者で松井秀喜選手が打者という場面」に、右翼を守っていたイチロー選手を仰木監督は登板させたのです。
結果的には、野村監督がすかさず、松井選手に変えて高津投手を代打に送り「幻の対決」となってしまいました。
この両監督の采配には、
・仰木監督:オールスターはお祭り。ファンサービスの観点からイチローを松井に起用
・野村監督:オールスターは一流プレーヤーの競演の場。ファンに失礼
という「オールスターに対する」考え方の違いがあったわけです。
確かに、大リーグのように「1試合のみ」であれば、野村監督の考え方を支持しますが、当時のプロ野球のオールスター戦は3試合もあったので、今になっては「イチロー対松井」を見たかったな、と思います。
ちなみに、野村監督が存命なら、今回の原采配をどのように評価したかと予想すれば、おそらく「賛成」したのではないかと思います。
野村監督は、選手起用に関しては、いくつものイノベーションを起こしてきたからです。
オープン戦ですが、外野手の新庄剛志選手を投手として起用したり、捕手でプロ入りした飯田哲也選手を外野手にコンバートしたりしてきた人だからです。
実際、1990年代にヤクルトの監督時代には、守護神高津臣吾投手を起用しつつ、左バッターには、山本樹投手や乱橋幸仁投手といった左のワンポイントを起用し、その際に高津投手を外野に起用していました。
また、2000年前後の阪神の監督時代には、葛西投手と遠山投手をファーストに起用し、左・右・左・右と打線が続く場合は「遠山→葛西→遠山→葛西」という投手起用をしていたからです。
つまり、長期間のペナントレースを戦うためには、このような選手の効率的な起用が必要不可欠、と捉えていたのです。
話を「増田投手」に戻しますが、打ち取られた阪神の近本選手、大山選手は悔しいでしょうね。
野手の投手起用がよくある大リーグでも、今シーズン(コロナの影響で実際には来シーズン)から野手が投手としてプレーできるのは「延長戦か6点差以上の試合の場合」という条件が付くそうなので、野手の投手起用は「やむを得ない戦術」として捉えられているのでしょうね。
さて、原監督に続く采配をするとしたら、どこの監督なのか、次の機会が楽しみです。
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