公職選挙法違反の疑いで告発されていた前経済産業相の菅原一秀衆院議員が、不起訴処分になったと2020年6月25日の朝日新聞デジタルが報じていました。
記事によれば、
・東京地検特捜部は6月25日、菅原衆院議員の不起訴処分(起訴猶予)にしたと発表した
・菅原衆院議員は、公設秘書が2019年10月に選挙区内の有権者に香典を渡していたとされる
・このことが週刊誌に報じられ、菅原衆院議員は経産相を辞任した
・公選法は、議員本人が選挙区内で金品を贈ることを禁じている
・香典は議員本人が直接渡す場合は例外的に認められている
・しかし秘書が持参する行為は違法とされている
とのことです。
週刊誌報道では、菅原議員は、香典以外にもお中元やお歳暮をとして、地元の有力有権者にメロン、カニ、イクラ等を贈ったとされていました。
確か、国会では、立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が、「贈答品リスト」を作成したとする元秘書に聞き取り調査した際の音声データを公表していました。
告発対象となった「2019年10月の公設秘書が持参した香典」だけが「違法」だったとすれば、市民感情として「お目こぼしも仕方ないのかな」と多くの人が感じると思います。
しかし、恒常的に香典や贈答品を送っていたとするならば、市民感情は別のものになるでしょう。
感覚的には「週刊誌や国会で追及されたその他の公選法違反疑惑」について、検察には、追及して欲しかった、と思います。
ちなみに、黒川弘務東京高検検事長が辞任し、後任に、名古屋高検検事長だった林真琴氏が就任しました。
国民の期待は、政権に近いとされる議員の起訴案件は、(当時)黒川東京高検検事長が「政権の守護神」となっている、と考え、新東京高検検事長の林氏に対する期待が高かったと思います。
菅原氏の告発案件不起訴は、林真琴氏の職務上の信念に基づくものなのか、それともあらゆるしがらみによる(例:次期の検事総長人事等)忖度が働いたのか、真実を私たちは知りたいところです。
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