2020年6月22日付の共同通信が、
「セイコーマート、レジ袋無料継続 大手コンビニと対応分かれる」
という見出し記事を報じていました。
この記事によれば、
・7月1日以降、政府が全国の小売店にレジ袋有料化を義務付ける
・コンビニ「セイコーマート」は、有料対象外のバイオマス素材30%配合の袋に切り替える
・そして、当面レジ袋の無料を続けると発表
・大手コンビニ3社も有料化対象外の袋を採用するが、削減のため有料化に踏み切る
・セコマは、大手3社と同様、使用量削減のために有料化を検討した
・新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、消費者負担を回避するため延期を決めた
ということだそうです。
2020年7月1日から実施される小売店におけるレジ袋有料化の話題は、本ブログでも何度か取り上げていますが、簡単に整理すると、経済産業省は、「完全有料化」ではないと説明しています。
経産省のウェブサイトでは、
・フィルムの厚さが50マイクロメートル以上
・海洋生分解性プラスチックの配合率が100%
・バイオマス素材の配合率が25%以上
のいずれかの要件を満たすプラスチック製の袋は、「有料かせずともOK」なのです。
したがって、大幅なコスト増につながると思われる「フィルムの厚さが50マイクロメートル以上」、「海洋生分解性プラスチックの配合率が100%」のレジ袋を準備し、買い物袋として無料配布するのは困難だとしても、「バイオマス素材の配合率が25%以上」の袋を準備し、これまで同様の対応を図ることは可能だったわけです。
「レジ袋の使用量削減に伴うごみの削減(環境対策)」を「有料化」の理由として標榜していますが、レジ袋の有料化による使用量の削減効果は、おそらく限定的です。
つまり、「コンビニオーナーに押し付けていたレジ袋経費を削減することで、オーナーの不満を少し解消し、消費者に負担を付け替えて、環境対策をやってます感」を醸し出すのが、狙いでしょう。
また、大手三社が「経産省が示した有料化しなくてもよい基準をクリアしたレジ袋」にしたにもかかわらず「有料化」したことで、「横並び」せざるを得なかったのでしょう。
大手三社の出した結論は、経営的には「正解」かもしれません。
しかし、コンビニ現場のオペレーションを考えると、
・コンビニはそもそも店員が商品を袋に入れる仕組み
・スーパーのように商品を自分で入れるスペースがコンビニにはほぼない
ので、混乱することは必至でしょう。
消費者目線でいえば、コンビニでの買い物は「スピード命」です。
「少しでも安く大量に商品を購入したい」と思えば、スーパーに買い物に行きますし、環境意識や購入コスト意識が高い消費者なら、エコバックを持ち歩くでしょう。
しかし、職場でのランチや出張先での買い出しにコンビニを利用する際は、「少々高くても便利」を当然優先しています。したがって、レジに並んでいる際に、店員さんが、レジ袋の有料、無料を客に確認し、客が自分で持ち込んだエコバックに入れたい、などと、従来のコンビニレジの流れとはイレギュラーなプロセスが加わると、レジ待ち客からしたら「イラつく」わけです。
そのように考えると、「経産省の有料化しなくてもいい基準をクリアしたレジ袋」を使用し、「しばらくの間は従来通りレジ袋無料」とするセイコーマートは、アッパレです。
しかし、残念なことに、北海道では、1000店舗以上を展開するセイコーマートですが、道外は、茨城に86店舗、埼玉に10店舗あるのみなのです。
現状の予定では、7月1日は、関西の出張先に滞在予定なので、コンビニ利用は確実なので、大手三社の運用状況をチェックしてみたいと思います。
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