2020年5月22日の閣議で、今年の1月に国家公務員法を適用するという荒業で定年が延長された黒川弘務・東京高検検事長(63)の辞職が承認されたそうです。
国民感情としては、
・すんなり辞任と退職を認めたら、高額な退職金が全額支給となり納得できない
・法務省内規の「訓告」で済ますのはおかしい
・マスメディと検察の癒着や贈収賄についてももっと解明されるべきだ
・賭博行為なのに、刑事罰委は問われないの?
・定年延長を認めた内閣の責任はどうなるの?
・・・
といった想いを抱く人が多数でしょう。
私は、ジャーナリストはネタを掴むために、政治家や高級官僚とコネクションやコミュニケーションを築き、必死になって真相を探ろうとする努力は認めるが、権力者は、こうした関係をうまく利用し、こうして世論を形成していくものなのかと考えると、しょうがないのかもしれませんが、「報道情報の裏には、世の中を動かすために何かが隠されている」と常に疑って捉えないと、マスメディア情報に踊らされることになるな、と改めて感じた次第です。
それと、気になるのは、やはり「内閣の責任」です。
黒川氏と同期で、現在弁護士で元検事の郷原信郎氏が、自身のブログで、
「内閣が『退官させると公務に重大な支障が生じる』という理由で黒川東京高検検事長の勤務延長したのに、今回辞職を承認するのであれば、公務の支障がなかったことになる。閣議決定を取り消すべき」
という主張をされていました。
私も、これには「激しく賛同」です。
「2020年1月の閣議決定はそのまま有効」というのは、今後も、時の政権に都合のよい検察官人事が行われる可能性があるわけですし、また、「Twitterデモ」に発展したわけですから「国民の理解が得られなかったので閣議決定は取り消します」とするべきでしょう。
それと、もうひとつ気になる点は、「国民からの内閣の信頼が落ちかけている時に、こうも都合よく上級公務員のスキャンダルが起きるものだ」ということです。
今回の黒川氏の「賭け麻雀」は、結果論として「マンガのような話」です。
ここ数年を振り返れば、
・当時文部科学省事務次官だった前川喜平氏の「出会い系バー」ネタ
・当時財務省事務次官だった福田淳一氏の「女性記者セクハラ」ネタ
・当時国税庁長官だった佐川宣寿氏の「廃棄した答弁した交渉記録が見つかった」ネタ
・・・
と常に、政権や内閣に対する国民の不信感が高まるたびに「官僚の醜聞(スキャンダル)」が文春砲などで世間の耳目を集めることになっています。
全くの妄想かつ想像ですが、内閣府には、官僚、政治家、財界等のキーパーソンに関する「弱みネタリスト」があり、「政権に火の粉が掛かりそうになるとマスメディアにリークする」システムがあるのではないかと思います。
今回の黒川氏の「賭け麻雀」はとんでもないことですが、私は、こうなってみると「やや同情」します。
というのも、我々国民は、「数々の疑惑を立件しなかった政権の守護神」として黒川弘務氏を捉えていますが、「時の権力者に忖度し出世を望むことはサラリーマンとして当然」という考えに立てば、「権力者に都合よく操られ、権力者自らに火の粉が掛かりそうになったので用済みとなり“キーパーソンの弱みリストを発動”し首を切った」というのが真相のような感じがするのです。
こうして考えていくと、やはり、ポイントは、
「公務員が国の将来を見据えた信念と職務上の矜持をもって仕事ができる環境を醸成する事」
ではないかと思います。
つまり、内閣に人事権があることや都合がいい人は定年延長できるシステムでは「忖度」が必ず働き、行政が歪められるわけです。
私たち一般人は、せいぜい「変じゃない?」ということをこのようにブログにしたため、Twitterでつぶやくことしかできませんが、心ある国会議員の皆さんは、ぜひ、現状の「権力者に都合がよい人事システム」にメスを入れて行って欲しいものです。
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