先日、環境経営システムに関する勉強会に出席してきました。
その勉強会では、「情報共有」目的で、2019年10月に開催された全国交流研修大会の内容を、勉強会を主催した事務局が説明してくれました。
色々な情報共有テーマがありましたが、そのひとつに「経営者から喜ばれる審査員になるための対話術」がありました。
つまり、コーチングです。
印象に残った情報を備忘録代わりに、まとめておきたいと思います。
(以下、全国交流研修大会で講師を務めたワニマネジメントコンサルティング 和仁達也氏の資料から抜粋し、筆者が編集加筆)
1.「ビジネスにもコーチが必要」
これまでの指導スタイル:指導者からの提案、アドバイス
これからの支援スタイル:本人の目標を起点に本人に考えさせる
「一流スポーツ選手がコーチをつける理由」
目標に到達するまでのシナリオを一緒に描いてくれる存在が必要だから
現時点の到達点、シナリオから外れていないかをフィードバックして欲しいから
↓
答えは本人が持っている。でも、自分の姿は自分では見えない。(ビジネスマンも同様)
鏡の役割を果たしてくれるコーチが必要
2.「コーチングとは」
「適切な質問によって、クライアントの行動を促し、その人の目標達成を支援するコミュニケーションスキル」のこと
3.「ビジネスコーチングが必要になってきた背景」
◆かつては、利益を上げるには、効率化して生産性をアップすればよかった
→今の時代は、画一的な答えはない。流行のサイクルが早く、情報をいち早く経営者に上げなければ売れない時代
◆かつては、上司が言うことが絶対だった
→今の時代は、上司に答えがない。「こうすればうまくいく」がないから言えない
◆かつては、上司が情報を握っていて部下に判断基準がなく従わざるを得なかった
→インターネットを通じて、部下には、上司以上の情報を持つことができる環境にある
4.「人の行動を促す基本的な質問の流れ」
1)解決したい課題にタイトルをつけると?
2)現状は?
(その人がおかれている状況を把握する)
3)理想の状態は?
(その人がどんな状態を希望しているのか把握する)
4)理想の状態になるための解決策は?
(その人が理想の状態を獲得するためにどんな条件が必要か整理する)
(解決策の視点は、どんな能力、どんな行動、周囲の環境をどう変えるか)
5.「経営者から悩みを引き出すコツ」
1)相手の「お困りごと」を聞き出す質問
→人は、自分のことに一番興味がある
→「悩みとかないでしょ」
2)相手の「お困りごと」をズバリ一言で言語化するスキルが必要
→ボキャブラリー力
→経験を積んで鍛えるしかない
3)対話が弾まず沈黙が生まれる理由
→質問が大きすぎる(私だったら・・・と例を挙げる)
→唐突過ぎる質問
4)成果を出すためには、アドバイスをしない
→経営者は、本音では、教えられたくない(上から目線で言われるのは嫌い)
→何が本当の問題なのか経営者自身が掴んでいない
5)ブレイクスルーのカギは「お困りごと目線」への転換
6)相手の核心にたどり着く方法
→「なぜ、それが問題ですか?」
(以上、資料からの引用(加筆編集)ここまで)
勉強会では、実際に、ペアになって、コーチングをロールプレーしました。
この手のロールプレーは、仕事柄、何度も経験がありますが、資料にもあったように「相手は答えを持っているケース」が殆どです。
自分が「クライアント側」の立場でロールプレーするとわかりますが、相手が自分より、その悩みの元となる仕事や趣味や日常生活で大成功を収めている超先達者であれば別ですが、内心「オレの方があなたより何十倍もそのことについて悩み、色々調べているんだよ」と考えているので、「こうすれば」と言われても、全然響かないのです。
したがって、自分の描いている解決策やその道筋に、ずれが生じていないか、見落としはないか、といったことを整理できる質問を受けると、「気づき」がわずかに生まれることが体感できました。
組織経営者だけでなく、日常生活でも、相手に「これ、教えてよ~」と聞かれない限り、「上から目線になって教えてやる」という姿勢にならないことが重要ですね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ682号より)
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