2020年5月18日に、政府と与党は、検察官の定年延長や定年延長を延長する権限を法相や内閣とする検察庁法改正案について、第201回国会(会期は1月20日から6月17日の150日を予定)での成立を見送る方向で調整に入ったそうです。
18日朝の報道では、NHKは「20日採決へ」、読売新聞は「見送る方向で調整」と全く異なる報道があり、ネットではジャーナリストや政治家が「世論をみるための観測気球だろう」と発言していました。
この件について、「もう少し状況をみて文章にまとめよう」、と思っていたところ、お昼の情報番組(ひるおび)で、政治ジャーナリストで巷では「安倍政権のスポークスマン」とささやかれ、“田崎スシロー”との異名のある田崎史郎氏が、「安倍さんが、この法案の意図を世間にわかってもらえないなら、秋の国会で通すこととし、法案審議を保留することを決断した」旨の発言をしていました。
つまり、ひとことで言えば「無理に法案を通すのは諦めて、一旦、引こう」という安倍首相の考えなのでしょう。
そのきっかけになったのは、40%を超えていた内閣支持率が約33%と急落したことになるでしょう。
私の感覚では、
「なぜだ?!数々のお友達優遇疑惑や新型コロナ対応での批判もあるのに33%もあるの?」
という想いです。
2009年9月に退陣した麻生政権は13.4%(共同通信調べ)だったし、さらに遡れば2001年4月に退陣した森内閣の内閣支持率は9%(朝日新聞社の電話調査)ですからね。
永田町の常識では、内閣支持率が「30%台で黄信号、20%台は危険水域、20%割れで退陣」といわれていますから、まだまだ安倍首相は、世論の声を無視して強引に事を進めて大丈夫ですが、ずっと高い支持率をキープしてきたので、「33%」という数字に、今後控えている憲法改正などに向けてビビってしまったのかもしれません。
今回、改正案の審議を凍結したことで、秋の臨時国会での成立を目指すようですが、日本国民の特徴でもある「のど元過ぎれば・・・」で、時間をおけば、国民からの風当たりは落ち着くだろう、と考えているのだとすれば、我々国民は、「どうせブームに乗って騒いでいるだけだろ」と舐められたものです。
それにしても、安倍首相は、内閣委員会でのこれまでの答弁で、
「恣意的な人事は今後一切ない」
回答しています。
しかし、野党が質問している
「どうやって恣意的人事を防げるのか」
「どのような基準で内閣や法務大臣は定年を再延長できるのか」
という至極真っ当な問いに森法相は、
「基準はこれから作っていく」
と説得力が全くない答弁をしています。
検事長の定年を現行の63歳から65歳に引き上げるのは、社会情勢や国家公務員の定年と合わせる意味で、国民の多くに異論はないでしょう。
「一律65歳、例外は無し」
という規定をどうして決められないのでしょう。
もちろん、検察官はサラリーマンですから、「職務上の矜持とは別に出世欲」が「人の子」ですからもちろんあるのは当然です。
しかし「一律の定年」だから人事権者である内閣や法相への「忖度」がある程度抑止できるのです。
秋の臨時国会も国民は今の気持ちを忘れずに、国会の動向に関心を持っていくべきですね。
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