2020年5月8日付の朝のテレビ朝日のニュースで、
「新型コロナ感染者 全国で一日100人を下回る
という見出しの記事を報じていました。
冒頭の画面には、
「新型コロナ3月30日以来 東京は23日、全国で96人」
とデカデカと映し出されていました。
記事によると、
・東京都の5月7日の新型コロナウイルスの感染者は23人
・全国では96人で、一日の感染者数が100人を下回ったのは3月30日以来
・東京都の23人のうち、感染経路が分からない人や調査中の人は15人
・1日の感染者が30人を下回ったのは4月7日(緊急事態宣言発令)以降初
だそうです。
しかし、東京都の検査実施人数と感染者数(陽性率)は、ここ1週間では、
(検査実施人数は東京都のウェブサイトより。筆者が陽性率を算出)
・5月1日 196人(165人)84%
・5月2日 200人(160人)80%
・5月3日 399人(91人)23%
・5月4日 219人(87人)40%
・5月5日 109人(58人)53%
・5月6日 65人(38人)58%
・5月7日 調査中(23人)不明
となっています。
なぜ、マスメディアは「感染者数」を前面に押し出した報道をするのでしょうか?
東京都のデータを見れば一目瞭然ですが、「検査実施人数に大きくバラツキ」があるので、「感染者数」は、単なる数字で「感染状況が拡大している/縮小している」の指標には、ならないのです。
陽性率も「検査条件(検査を実施する要件)」と関わってくるので、「感染拡大/縮小の絶対の指標」ではないですが、まだ、ましな指標です。
したがってメディアは、例えば、
「最新の東京都の陽性率は〇%です」
と報道しないと、「適切な報道」とは決して言えないし、世間の多くの人は、メディア情報によって、間違った判断をして「もう自粛解除だ」、「営業再開だ」、「まだまだ自粛警察しなければヤバい」・・・など「勝手に判断、勝手に行動」しだすでしょう。
なお、Twitterで愛知県の大村秀章知事が、
「本日の検査結果も、感染者はゼロです。2日連続です」
と5月6日につぶやいていました。
しかし、これも事実ではありますが、公職にある影響力の高い方の配信ですから、文字数に制限があるTwitterではありますが、せめて、
・検査実施者数
・検査希望者数
・愛知県の最大検査実施者数/日(検査キャパ)
・愛知県の検査実施条件(おおもとは厚労省の通達ですが)
もツイートして頂かないと「ゼロだから減ったでしょ」というお知らせには決してなり得ません。
マスメディアや影響力の大きい方の発信する情報を正しく読み解く力を付けないと、間違った解釈をしてしまうな、と自戒を込めて感じた次第です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ697号より)
【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと』
(ブイツーソリューション刊)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/
“できるビジネスマンのマネジメント本”(玄武書房)
https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)