2020年4月23日の共同通信の報道によると、俗称「アベノマスク」を納入した興和と伊藤忠商事が未配布分をすべて回収し、検品体制を通常より強化すると発表したそうです。
公共調達に関係したことがある人なら、想像がつくと思いますが、建物や施設、物品、防衛関係の装備品などを国がモノを調達する場合、指名入札、競争入札問わず、厳格な調達基準があります。
単発発注の随意契約の場合であっても、提出する書類は、私たちが日常的に行っている民民の商取引より、かなり厳しくかつ細かい条件が示されています。
すでに、政府は、今回の「アベノマスク」に関わる費用を466億円と発表していますし、これまで明らかにされた費用は、
・納入業者3社合計の調達額:90億9千万円
・配送費:128億円
ですから、約247億円以上が、「使途不明」です。
繰り返しになりますが、「アベノマスク」は、単なる公共調達ではなく、巨額かつ国民の感染不安を解消する安心感のための公共事業ですから、少なくとも、
・マスクの調達先選定基準
・マスクの設計基準
・マスクの製造基準
・マスクの検査基準
・マスクの配送基準
・マスクの不良品対応基準
といった言った「調達基準」は明確に国民に示していただき、我々が検証できるようにしてもらわなければお話になりません。
ここからは、私の予想ですが、今回の「アベノマスク」については、「国民が期待する製造基準は明確にされず政府は発注したのではないか」と考えます。
一般的に、百均ではなく、ドラッグストアやコンビニで販売されている医薬品製造メーカーが製造する「マスク」は、「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(GMP省令)に基づいて製造されています。
しかし、「アベノマスク」は、マツオカコーポレーションや伊藤忠商事といった「医療」とは縁遠い企業に発注しているところから想像して、製造基準はGMP省令の対象外としているものと思われます。
つまり、品質管理・・・特に衛生管理レベルは「衣料品レベル」ではないかと思います。
(※政府は、生産国について、中国、ミャンマー、ベトナムと発表していますが、GMP基準並みの製造環境であることは疑問です)
個人的には、「アベノマスク」は、スピードが求められる公共事業かつ、品質も通常以上に注目されるのは、わかり切っているので、
・GMP基準で製造実績があるメーカーへの発注
・自社で全数検品できる体制があるメーカーへの発注
を政府はするべきだったと思います。
仮に、「自社のGMP基準を満たしたマスク製造で各社手一杯」だとしたら、「ラインを丸ごと調達(貸切り)する」ことをすべきだったと思います。
「アベノマスクの所掌官庁」は、厚労省だと思いますが、まさか、官邸にせっつかれて、国民の安全安心を度外視した調達をしていたとしたら、酷すぎる話だな、と思いますし、国民は政府の責任を時間軸としては、コロナが少しおさまった後でもいいので追及しなければならないと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ695号より)
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