2020年4月23日号の『週刊文春』が報じた「安倍昭恵氏の大分旅行」に非難の声が上がっています。
ご存知の方も多いと思いますが、週刊文春の報道によると、
・2020年3月15日に安倍昭恵さんが大分県宇佐市「宇佐神宮」に参拝した
・参拝はグループ旅行で約50人が参加した
・昭恵さんは「コロナで予定がなくなっちゃったのでどこかへ行こうと思った」と語った
・現地ではマスクをしていなかった場面もあった
といった出来事です。
この「文春砲」がネットニュースで報じられると、多くの人は、
「さすがに今回ばかりは、安倍首相も謝罪するだろう」
と考えていました。
しかし、4月17日の衆院厚生労働委員会で、国民民主党の岡本充功衆院議員への答弁で、安倍首相は、
「神社の参拝は密閉ではない。3密が重なったらダメだと申し上げている」
と夫人の大分旅行は、問題がなかったという認識を示したそうです。
また、マスメディアの報道では、この大分旅行は、事前に告げられていたそうです。
確かに、「2020年3月15日」の段階では、
・小池都知事による週末の外出自粛要請(3月25日)
・安倍首相が国民に対して、不要不急の外出自粛要請(3月28日)
・安倍首相が7都府県に発出した緊急事態宣言(4月8日)
・安倍首相が緊急事態宣言を全国に拡大(4月16日)
以前ではあります。
しかし、小中学校の休校要請(3月2日)は、すでに出されていましたし、国民全体で「不要不急の外出は控えましょう」という社会常識が形成されつつあった時期であることは間違いないです。
また、週刊誌等は、部分部分を切り取って報じるので、厚生労働委員会で安倍首相が答弁したように、
「参拝時にあえてマスクを外した」
「訪問中を通じて感染拡大の防止には注意して行動していた」
ことは、事実でしょうし、参拝時のマナーややむを得ない外出時のエチケットとしては、問題ある行動ではありません。
けれども、何度も繰り返しますが、国民全体で「不要不急の外出は控えよう」と「がまん」を強いられ始めた頃に、「コロナで予定がなくなっちゃったのでどこかに行こう」という発想自体が「一般常識」ではないし、夫人から旅行について相談された安倍首相も「今は止めたほうがいい」と進言しなかったことは、結果として「間違っている」ことは明らかです。
この国会答弁で、「国民の皆様が外出自粛をしている中で、軽率な行動であった。お詫び申し上げたい」と答えれば、国民から必要以上にツッコミを受けることはなかったと思います。
以前のコラムで「強弁する人」という記事を書きました。
http://blog.logcom.jp/?day=20170518
このコラムで言いたかったことを、ひとことで言えば、
「必要以上に「強弁」する人は、その強弁していることに、自信がないことの裏返しである」
ということです。
安倍首相の過去の言動を振り返ると、代表的なのは、
「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」
ですが、野党に責められると、ムキになって強弁しています。
私は、この安倍首相の「強弁」は、「やましいと自分自身も感じているが、その誤りを決して認めたくない」ことが背景にあると思っていました。
しかし、今回の答弁で感じたのは、
「もしかしたら、安倍首相はもちろん、安倍夫妻は、自分たちの行動は一切誤りがなく正しいこと、と信じているのではないか」
と思いました。
ご夫妻は、言わずと知れた「名門出身のお家柄」ですから、幼少期から「坊ちゃん(お嬢ちゃん)は間違っていません」と誤りを正す人は、まわりに滅多にいなかったはずです。
したがって、例えば、まわりにいる10人のうち1人だけが「坊ちゃん、それはおかしいですよ」と指摘しても、「他の9人はおかしいとは言っていないんだから、間違ったことを言っているのは、この(指摘した)人の方だ」という思考回路が育まれるのは、ある意味、庶民の我々には実感がないですが、当然なのかもしれません。
余談ですが、「いまだに大臣に成れない代議士」として有名な衆院議員に平沢勝栄氏がいます。
平沢氏は、当選8回の衆院議員で東大法学部卒、元警察庁長官官房審議官で、東大在学中には、安倍首相の家庭教師だったそうです。
平沢氏は、以前テレビ番組で、「安倍氏は勉強のできが悪く、答えを間違えると、定規でたたいた」と語っていました。
バラエティ番組での発言なので、平沢氏の発言には、脚色もあると思いますが、もしかしたら安倍氏の想いとして、
「勉強ができないのは平沢氏の教え方が悪いからだ」
「誰にも叩かれたことはないのに、平沢氏は俺を定規でたたいた」
と「恨み」があり、大臣に任命しないのではないのかもしれません。
現在の国会議員には、安倍氏ほどではないですが、地元の名家の子息、子女として世襲し議員になった方も数多くいます。
私たちと同じ目線で議論したり、会話ができていると庶民は認識していますが、「私はあなたたちとは違うんです」とはっきり発言した元首相もいるように、国会議員の多くは、「同じ次元や土俵にいない、つまり、一生会話がかみ合わない人がウヨウヨいる」のかもしれません。
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