物流会社に訪問した時のことです。
数年前は、「最大の経営リスクは原油価格の高騰です」とおっしゃっていました。
それが、ここ最近顕著なのは「人手不足」だそうです。
この会社は、同規模の同業他社との比較では、昔から安全管理、労務管理、車両などへの設備投資、コンプライアンスには非常に経営資源を投入しています。
同業他社に訪問した際に、この会社の印象を聞くと
「ドライバーの運行ルールが厳格で、いい意味で敷居が高い会社」
と業界内では捉えられている、という話を聞きました。
つまり、「ドライバー業をするなら働きたい会社」だそうなのです。
そのような会社でも、人を募集しても採用できない、あるいは採用しても1年未満で辞めてしまう状況なのだそうです。
理由としては、
・早朝出勤の業務がある
・倉庫で扱う製品の種類が多く効率的な積込を覚えるまで時間が掛かる
・長距離便がある
・・・
といったことが人手不足の原因のようですが、それに加えて、今の若い人は「1円でも多く稼ぐより、しっかり土日は休みたい」という仕事を選ぶ人が多いようです。
私を含めバブル世代より上のドライバーは「1円でも多く稼ぎたい」というコンプライアンス無視の配車やシフトを要求してくる傾向があるそうですが、「働き方改革の今の時代は労務管理上、それはできない」と会社が説明すると、がっかりするそうです。
全国的なドライバー不足で、運行指示にロスがあったり、もらえる運賃が安い荷主からは、どんどん運送業者が逃げています。
大手企業(荷主)の中には、「うちの荷物も運ばせてやっているんだから」という認識で仕事をしてきた会社もあるようで、以前は、安定して仕事を発注してくれるんだからと「がまん」してきた会社が、車両を自社倉庫前まで呼んでおいて、伝票待ちで車両待機時間が増えるような発注管理がずさんな荷主の仕事は、大手で安定した発注が見込まれても「やってられない」と他の荷主にシフトしているようです。
今の転職市場は、転職サイトや評判サイトで、調べればすぐに会社の待遇がある程度、わかります。
そのため、土日休みではなく、早朝や深夜業務がある業種は人が集まりにくくなっています。
世の中は、なんでも2極化する時代ですが、情報化社会になって、業務特性上どうしようもないのですが、今どきの価値観に合わない職場は、どんどん敬遠されていくのでしょう。
「知らぬが仏」と「これが当たり前」とその業界や職場の常識をすり込みながら、うまく働かせていた時代がありましたが、「自分で容易に調べ他所の労務環境を知ることができる時代」なので、定時勤務でない職場にとっては、「人材確保が難しい時代」なのでしょうね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ646号より)
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