「徳」について、ウィキペディアでは、以下(抜粋)のように説明されています。
◆徳とは人間にとって均整のとれた精神の在り方を指すものである
◆徳は天分、社会的経験や道徳的訓練によって獲得し、善き人間の特質となる
◆徳を備えた人間は他の人間からの信頼や尊敬を獲得しながら、人間関係の構築や組織の運営を進めることができる
◆徳は人間性を構成する多様な精神要素から成り立っており、気品、意志、温情、理性、忠誠、勇気、名誉、誠実、自信、謙虚、健康、楽天主義などが個々の徳目と位置付けることができる
また、江戸時代後期に「滝沢馬琴」によって著わされた大長編読本「南総里見八犬伝」では、「八徳」がでてきます。
ここでいう所謂(いわゆる)「八徳」は、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」です。
すなわち、
仁・・・思いやり、慈(いつく)しむこと
義・・・人道に従うこと、道理にかなうこと
礼・・・社会生活上の定まった形式、人の踏み行なうべき道に従うこと
智・・・物事を知り、弁えていること
忠・・・心の中に偽りがないこと(主君に専心尽くそうとする真心)
信・・・言葉で嘘を言わないこと、相手の言葉をまことと受けて疑わないこと
考・・・思いはかること、工夫をめぐらすこと、親孝行すること
悌・・・兄弟仲がいいこと
です。
「経営の神様」といわれた松下幸之助氏のことばに、
「徳がないと、部下はついてこない」
があります。
松下幸之助氏の側近で秘書でもあった江口克彦氏によれば、
「徳がない」と。。。
「経営者、指導者は、社員の納得する事業計画を精密に立て、規則を明確にし、組織を整えるだけでは、経営を進めていくことはできない。
ここに書いてあるだろう、あのとき、諸君も同意しただろう、と言っても、経営者の思いは空回り。
年度が終わってみれば、最悪の数字。
経営者の思うほどに、部下や社員は動いていない。
まさに、笛吹けども踊らず」
だといっています。
当たり前ですが、従業員は「生活の糧のため」に働きますし、その立場を守るために職務命令に従います。
しかし、よしやるぞ、と気合を入れて、モチベーションを高めるためには、経営者や上司に「徳」がなければ、従業員は頑張れません。
よく、一見すると「頼りになるなぁ」「会社経営を大局的にみる人だなぁ」「ものごとを俯瞰して捉える力がある方だなぁ」「懐が深いなぁ」などと信頼できる経営者がいます。
しかし、表面的ではなく、真の意味で「徳がない」と「限りなくビジネスライク」な関係になるでしょう。
「ビジネスライク上等じゃん」と開き直る経営者もいるかもしれませんが、経営が低調傾向になると、「徳が無ければ部下は離れていく」わけです。
月並みですが、経営者の度量は「ヤバい時」に発揮されます。
(逆に言えば、ヤバい時がないと、うまく装うことができる経営者は、度量の深さや真の性質が見えてきません)
「すごい経営者だなぁ」と思える経営者でも、「ヤバい時」に「担当に聞いてくれ」とか「俺は細かい話はわからん」と逃げる経営者がいます。
「大まかなことはわかった、最終的に、俺が責任を取るから、最善を尽しなさい」といえる経営者は実は、意外と少ないです。
私は、仕事でも、趣味などプライベートでも「大きな組織を束ねるリーダーになりたい」という願望はありませんが、「徳がある人になりたい」し、成れるように常日頃の思考や行動を振り返り努力していきたい、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ543号より)
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