組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「認証審査における指摘の捉え方」について。
このテーマで、気になる点は、ずばり「受審組織における指摘の捉え方」です。
私が経験したことがある状況を思いつくまま挙げてみます。
・被監査部門が、指摘を受けると自らの部門に責任はないと抵抗する
・被監査部門が受けた指摘=部門のマネジメントシステムの出来栄え、と考えている
・被監査部門毎の指摘件数を比較し、指摘が多い部門長の評価に繋げている
・被監査部門が指摘を受けると「それは対応できない」と客観的事実の確認を嫌がる
・・・
これらの根本原因は「指摘を受けた部門が悪い」という誤った認識に基づいているから生じる状況です。
例えば、日常生活において、「児童が授業中に腹痛を起こした」というケースで考えます。
この状況だけでは、情報が少なすぎるので、原因はもちろん、腹痛に至った経緯もわかりません。
仮に、腹痛の原因が、「家庭食べた朝食」かもしれませんし、「腹痛を起こす前にあった体育の授業で腹部を強打した」ことかもしれません。
また、もともと体調不良であったが、児童がそれを保護者や先生に言わずに授業を受けていた、という経緯があったのかもしれませんし、教室の空調管理が原因で腹痛になったのかもしれません。
要は、このように、「腹痛が発生」した場所は、「授業中の教室」であったとしても、その原因により責任部門や対応部門は、様々なケースが考えられるので、「問題が検出された場所(部門)がその指摘の責任・原因部門では必ずしもない」のは当然です。
しかし、ISOマネジメントシステム認証を20年以上継続している組織でも、いまだに「指摘を受けた部門が責任を負わねばならない」と考えている人が、意外と多いです。
少し話題はそれますが、審査をする立場でいえば、
・更新審査等で審査期間が定期審査より長い
・その部門の審査に割り当てた時間が長い
・自組織の業務等を的確に説明できる部門
・マネジメントシステムに対する知識と認識が高い人が説明している
といった場合は、審査はサンプリング審査ですから、「確実に指摘件数は多くなる」と思います。
マネジメントシステムの審査は、「対話による相互理解」が基本なので、緊急的な機械トラブルや重篤なケガをした場合に、ある意味「問答無用で処置する」ような性質のものではありません。
したがって、本来それではいけないのかもしれませんが、審査工数は決められていますので、受審側のマネジメントシステムの理解度が低い場合は、認識レベルに合わせた指摘しか出さざるを得ないケースもあります。
(※こうした場合、それ以外の問題は申送り事項等で次回以降の審査に申し送ることが多い)
審査側のインタビューテクニックにもよりますが、組織側の理解度が低く、また、業務についての説明力も悪いと、「変だな」、「規格への適合性は大丈夫?」と感じても「時間切れで確認できなかった」ケースや「受審側が納得していないので指摘を諦めた」ケースもあります。
したがって、「指摘=その部門の良否」と、短絡的に成り立つことはないのです。
こうしたことを、受審組織のトップや事務局はもちろん、少なくとも各部門長には、しっかりと認識させておかないと、認証審査の審査結果が間違った形で解釈されるかもしれません。
また、審査中の聞き取りも「自部門で指摘を受けたら嫌だ」と変な説明を審査側に回答してしまうケースも生じ、認証審査が効果的なものとならないことにもなると思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ672号より)
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