組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「有効要員数)」について。
IAF MD5:2019(品質、環境及び労働安全衛生マネジメントシステム審査工数決定のためのIAF基準文書)によれば、
(以下、MD5より引用)
「1.9有効要員数」
有効要員数は、各シフトの要員を含む、認証範囲内に関係するすべての要員(常勤、臨時及び非常勤)からなる。認証範囲内に含まれる場合、これには非常傭の者(例:請負者)も含まなければならない。
OH&SMSについて、有効要員数には、組織の管理下又は影響下にあり、組織のOH&SMSパフォーマンスに影響を与え得る、労働又は労働に関わる活動を行う請負者及び下請負者の要員も含まなければならない。
(以下、省略)
「2.3有効要員数の計算」
(省略)
2.3.2 有効要員数決定を正当化する理由は、依頼組織及び認定機関が利用できるようにし、認定審査の中で、又は認定機関からの依頼に応じて、認定機関がレビューできるようにしなければならない。
(以下、省略。引用ここまで)
と規定されています。
言わずもがなですが、「有効要員数」が認証審査において重要な理由は、
「有効要員数は、マネジメントシステム審査工数計算の基礎として使用される」
からです。
要は、端的に言えば、「審査工数=審査時間=審査料金」に関係するわけです。
ご存知のように、マネジメントシステム認証の審査は、「適切なサンプリング」によって、マネジメントシステムの適合性、有効性を認証機関が評価し、世間に公表する制度です。
したがって、審査時間が長くなれば、一般論として、サンプリングするプロセスは増えますし、確認する運用記録のサンプル数は増えますので、指摘(問題点や改善の機会、良い点)は、当然増えます。
また、機関によって大きく有効要員数のカウントの仕方が変われば、審査料金に影響しますので、不適切な値下げ合戦に繋がってしまうわけです。
そのようなわけで、有効要員数の考え方は重要なのです。
さて、前記したように、IAF MD5:2019では、整理すると、
・有効要員数は、各シフトの要員を含む
・有効要員数は、認証範囲内に関係するすべての要員(常勤、臨時及び非常勤)からなる
・有効要員数は、認証範囲内に含まれる場合、非常傭の者(例:請負者)も含める
・有効要員数決定を正当化する理由は、依頼組織及び認定機関が利用できるようにする
・有効要員数の決定は、認定機関がレビューできるようにしなければならない
といったことが規定されています。
有効要員数のカウントに関する勤務時間や勤務日数、業務内容などによる考慮事項の詳細のルールは、割愛しますが、大雑把に言えば、
・交代勤務であれば、有効要員数は、その合算とする
・正社員以外のアルバイトや派遣社員も有効要員数としてカウントする
・請負者(例:構内で働くフォークリフト、清掃業者、梱包業者といった外注)もカウントする
ということになります。
ただ、このルールは、IAF MD5の適用範囲が、品質、環境、労働安全に関するマネジメントシステムなので、航空宇宙、情報セキュリティ、食品安全などについては、適用になっていません。
ISO17021-1:2015(マネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項-第1 部:要求事項)では、「審査プログラム」の項で「シフト勤務の考慮」と「審査工数の決定」の項で「マネジメントシステムの適用範囲に含まれる活動の外部委託の考慮」についての規定がありますが、「どのように考慮するのか」については、「機関の考え方による」ということになります。
私見ですが、例えば、一般的な食品工場において、
・原材料の受入検査を実施し、原料倉庫や製品倉庫、各工程に運搬する外注作業員
・工場に常駐勤務している清掃作業員
・出荷現場における梱包作業の外注作業員
などは、有効要員数にカウントすべきではないかな、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ680号より)
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