(前編からの続き)
認証審査の場合は、組織側に「もしかしたらこの審査員の助言に従わないと審査を通してもらえないかもしれない」という心理的恐怖感と「指示されたことに従ってうまくいかなかったら審査員のせいにすればよい」という依存心が、業務の特性上、生じます。
一般的には、複数例を挙げただけに過ぎなくても、それを受け取る組織がこのような状況下にあるということを理解して話を進めなければ、あとあと「こうしろと言われた」と受け止められてしまうかもしれません。
話を認証審査における「システム規格の解説」に話を戻しますが、ひとつのポイントとして、
「組織に運用事例がないところは、規格の解説がより必要な可能性がある」
と考えることがよいでしょう。
なぜならば、「運用事例がない」というケースは、大きく分けて
・本当にそのようなケースが稀である
・規格の解釈が不十分なために自社の業務に置き換えて活用しきれていない
という2パターンがあるでしょう。
「ISOマネジメントシステム規格を経営に生かす」というのは、「規格要求事項を組織運営の規範のひとつとして自社の仕組みを振り返り、不足・不備や改善点を見出して、よりよい組織運営システムを継続的に構築し続ける」ということに違いありません。
そのように考えると「運用事例がない」というのは、「規格要求事項を表層的に捉えて、自社の既存の管理システムと照らし合わせることができていない」可能性があるわけです。
例えば、環境マネジメントシステム規格(ISO14001)で「コミュニケーション」という要求事項があります。
「外部コミュニケーション」といえば、利害関係者からの要望や苦情、問い合わせが考えられますが、組織の多くは「顧客や近隣住民、行政機関など」を頭の中に思い浮かべるにとどまっているケースが殆どです。
そこで、審査員が規格をきちんと解説すれば、協力会社など取引先や設備や施設のメンテナンス会社も「外部コミュニケーション」としてイメージが湧くわけです。
すると、「〇〇設備の報告書は、法定点検だから現状は単にファイルに綴っているだけだったけど、業者からの点検報告書の結果やコメントを整理して、設備トラブルの傾向や設備投資の予算計画のインプット情報にしてみよう」と発想が広がるわけです。
マネジメントシステム規格を正しく理解することで、組織の仕組みがよくなる可能性はたくさんあるので、「規格解説が不十分だな」と感じる方は、認証審査の場面を通じて、時間の許す限りドンドン逆質問することも必要でしょう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ656号より)
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