2020年1月17日付の食料新聞が、
「今年の砂糖 岐路の2歩手前 3年で1工場分の需要消失」
という見出しの記事を掲載していました。
記事によれば、
・砂糖消費は、ここ3年度でも約9万2千tの減少(年間消費183万t)
・総需要の5%に相当する需要が消失した(中規模製糖工場1つ分)
・平成30年間でも約3割の砂糖消費が減り業界は統合再編を繰り返してきた
・砂糖には毎年保護財源(調整金)が約500億円課せられて売価に反映されている
・売価に反映されることで、他の甘味原料に価格競争で負ける原因となっている
・消費量が減るほどに負担率は高まるため、業界不満も過去最高になっている
・日本の食料自給率37%(カロリーベース)のうち、約7%は砂糖類
(引用ここまで)
ということだそうです。
基礎調味料は、一般的に「さしすせそ」で表現されます。
いわずもがなですが、「砂糖、塩、酢、醤油、味噌」の5種類です。
食品業界に詳しい知人の話だと、国内の人口減少も要因かもしれませんが、消費者の健康志向もあり、業界的には、消費量全般が落ち込んでいるそうです。
ちなみに、基礎調味料5種類のうち、「酢」だけは、イメージ的に「健康に良い」と消費者からは妄信されているようで、消費量が伸びているそうです。
この記事の中で気になったのが「日本の食料自給率37%」です。
日々の会話で何気に使用している「食料自給率」ですが、あらためて、「食料自給率」について調べてみました。
ご存知のように、食料自給率は、
・カロリーベース総合自給率
・生産額ベース総合食料自給率
・品目別自給率(品目の重量)「
などがあり、日本(農林水産省)で「食料自給率」といえば、カロリーベースで算出した数字を指します。
詳細な議論は、今回は割愛しますが、私の感覚では「品目別自給率」が、国民には分かりやすい気がします。
品目別自給率の計算式は、
・品目別自給率=国内生産量÷国内の消費仕向量
※国内消費仕向量=(国内生産量-輸出量)+輸入量
となります。
小学生に食料自給率を説明するとしたら、例えば、日本産のカボチャと海外のカボチャは、重量的に差があるものではないので、「国内で生産されたカボチャ全体から輸入ものカボチャ全体を引いて、国内で生産された全体のカボチャから割ったものだよ」と説明すれば、すごくわかりやすいです。
しかし、これをカロリーベースだと、熱量換算がややこしいし、生産額では、輸入国によっては、国内生産額と価格差があり過ぎます。
話しを食料新聞に戻しますが、
・国内の砂糖消費量はどんどん減っていくため業界の負担率は高まる
・どう見ても負のスパイラルに巻き込まれているが、改善される気配も見えない
・今年もさらに消費量が減るようならば制度破綻を含めた岐路に近づく
・業界の啓発活動「シュガーチャージ」(砂糖でエネルギー補給)で消費減を食い止めたい
と砂糖業界は現状は思い描いているようです。
東京五輪が砂糖の消費を高める業界の起爆剤になればいいのですが、私の予想では、長年続いてきたこうした調整金制度は、砂糖だけじゃないですが近い将来、破綻するんでしょうね。
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