2019年12月31日の読売新聞が、
「タクシー運転手 若者離れ…平均60歳 低収入で敬遠」
という記事を一面に掲載していました。
記事では、
・男性運転手の平均年齢が初めて60歳を超えた
・男女を合わせた平均年齢も59.9才と調査対象125職種で最も高い
・高年齢化は、低収入で若年層が集まらないこと
・2020年2月は過去最多の25都道府県で運賃の値上げが認められる
・免許取得要件の緩和も進める
・調査対象の全産業の平均年齢は42.0才
・調査対象の全産業の平均年収は約560万円
・タクシー運転手の平均年収は約350万円
・子育て世代がこの年収で家計を支えるのは苦しい
・高齢者ドライバーの事故増加の懸念がある
・介助タクシーのニーズが増えているので力作業を考慮して若者を採用したい
・・・
といったことが報じられていました。
ちなみに、平均年齢の高い職業(調査対象125職種)は、
1位:タクシー運転手:59.9才
2位:施設警備員:59.2才
3位:大学教授:57.4才
4位:役員などの運転手:56.9才
5位:用務員:55.6才
だそうです。
個人的には、「なぜ調査対象は、「大学教員」ではなく「大学教授」なのかな?」という気がします。
もちろん、大学教授は、絶対的な年功序列な職場ではありませんが、その道の学識キャリアを積んだ方が就くポジションなので、年齢が高いのは当然なので、「産業や職種の平均年齢や年収」を調査したいのであれば、「大学教員」の方が適切な気がします。
タクシー業界の課題(若年労働者の確保、年収アップ)解決の処方箋は、すぐには思いつきません。
ただ、確実なのは、「タクシー産業」というビジネスモデルとして、「平均年収が低い」ことは、「若者が目指す職業」として成立せず、「事故率アップや介助タクシー増加による力仕事の必要性」を考慮すると業界はもちろん、利用者である私たちへのサービスにも影響が出るので、国を挙げての課題であることは間違いないでしょう。
話題は、変わりますが、私の仕事のひとつである「マネジメントシステム認定・認証制度に関する審査員」の世界の平均年齢は、もっと高齢な業界だと思います。
ご存知の方も多いと思いますが、この業界における審査員は、「正社員主体の認証機関」、「委託主体認証機関」がある(業界的には、委託契約者審査員の方が断然多い)ので、「業界全体での調査結果」として正確なデータはおそらくないでしょう。
ちなみに、エコアクション21という環境省関連の環境経営システムの審査員資格者(約600名)の平均年齢(筆者が2018年に出席した会議での説明より)は、約63才と聞きましたし、ISO認証機関数社の関係者の話では、「審査員を主たる業務としている契約審査員」を対象とすれば「平均年齢は65歳を超えている」そうです。
このように、タクシー業界だけでなく、マネジメントシステム審査の業界も「高齢化」して「若者の参入が極めて少ない」のですが、この最大の理由も「安定して稼げない」ことにあります。
職種的には、大雑把に言って、業界知識、業務経験や審査技術が問われるので、「ある組織の審査を担当できる適切な人」は限られている専門職種のはずですが、「専業」としてやろうとすると「年収が安定しない」ですし、片手間としてスポットでやるとしても「単価が決して高くない」ので、他の収入(コンサルティングなど他の収入や年金など)がある程度確保された層しかこの仕事に従事していないのが現状です。
審査対象組織にもよりますが、工場の審査は体力も使うので、足腰が丈夫でなければ厳しいですし、また、相手組織の管理職クラスは40代、50代が主体なので、あまり年齢差があると、会話がかみ合いません。
したがって、本来、40~50代の審査員がもっと必要だと思いますが、この年代の審査員は、感覚的には2~3割以下でしょう。
私見ですが、年金受給世代が「この金額ならやってもいいよ」という価格を基準として委託単価が決められていたり、「審査費用の極端な値下げの余波を委託審査員が真っ先に受け」て専門職種としてはあり得ない委託単価が設定されていて、現役世代の中堅層がこの業界に参入してこれる土壌がないのです。
以前、教育評論家の尾木直樹氏がワイドショーのコメンテイターとして「教員の質の確保として採用倍率が3倍を切ると低下すると一般的に言われている」とおっしゃっていました。
マネジメントシステム審査員の世界もまさに同じで、審査員従事者の年齢の偏りと質の低下を避けるためには、「業界一丸」となった給与水準を下げない対策(※紙面の都合で詳述は割愛します)が必要だったのだと思います。
しかし、構造的に「正社員」と「委託契約者」で成り立っているので、「委託契約者が声を挙げ身を守る場がなかった」ので、単純作業労働者とそん色のないレベルの単価業務に成り下がってしまいました。
一度下がってしまった「審査料金の相場」を上げるのは至難の業なので、これからも役職定年を迎え、65歳以降も働ける仕事として「転身を目指す層」(50代後半)を人材として確保していくことが主体のビジネスモデルとなりそうな気がします。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ679号より)
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