2020年1月4日、全日本空輸は、女性客室乗務員(20代前半)から乗務前のアルコール検査で基準値を超える数値が検出されたことを発表したそうです。
その影響で、この女性乗務員が乗務予定だった1月3日の福岡発成田行きは25分遅延し、この便以外に、福岡発羽田行きNH242便が14分遅延し、福岡発羽田行きNH244便が24分遅れ、福岡発羽田行きNH246便が18分遅れとなり、国内線4便が遅延したそうです。
各社の報道では、この4便の遅れで影響を受けた搭乗者は1391人に及んだそうです。
なお、全日空では、ストロータイプの検査機器を使用しており、この検査機器が検出できる下限値は0.05mg/lで、「アルコール検出=ANAの社内規定違反=乗務停止」となるそうです。
この女性乗務員は、
・客室乗務員が1月3日朝に福岡空港へ出社
・午前6時30分ごろに乗務前アルコール検査を実施した結果、0.14mg/lが検出
・その後2回計測した
・午前6時40分ごろ実施の2回目は0.14mg/lが検出
・午前7時ごろの3回目では0.05mg/lが検出
・女性乗務員によると、焼酎2杯を飲んだと会社に説明している(飲酒時間は不明)
という経緯のようです。
ちなみに、道交法では、0.15 mg/lが検出されれば、「酒気帯び運転」となり減点対象です。
この「呼気中アルコール濃度0.15mg/L」とは、血中アルコール濃度に換算すると、0.3mg/mLに相当するそうで、具体的な事例としては、ビール中びん1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯になるそうです。
女性乗務員が説明する「焼酎2杯」がストレートなのか、水割りなのかわかりませんが、早朝に出社していることから、前の日の夕食で焼酎は摂取したのではないでしょうか。
なお、ANAの社内ルールだと「滞在先での乗務前の24時間以内の飲酒は禁止」となっているので、この女性乗務員は、おそらく「羽田ベースの乗務員」ではないかと思いますが、規則に反して飲酒したことになります。
ひとりで食事を取ったのか、同僚と取ったのかは不明ですが、もしかしたら、ANAでは、「滞在先での24時間以内の飲酒禁止なんて厳しすぎるよね。前の晩に深酒しなければ、アルコールは検出されないよね」という「社内の常識」があったのかもしれません。
食品会社に勤務する友人が、「生牡蠣は長期休暇の時以外食べない」と話してくれたことがあります。
私が「大変だし、職業倫理として偉いね」というと、「いやいや、同僚には、在職中は絶対に牡蠣を食べない、と言っている人もいるから」と返されましたが、牡蠣の場合は、症状が出るのに時間が掛かるので、そのぐらい徹底しないと「会社や関係者、消費者に迷惑」をかけてしまう可能性があります。
ただ、アルコールの場合は、時間とともに血中アルコール濃度は下がるので、二日酔いするほどの大量飲酒でない限り、「24時間以内禁止」は、少し長い気もします。しかし、「12時間以内禁止」だと体質的にアルコールが抜けきらない人もいるので、一律ルールは、難しいですね。
それと、今回、影響があった便は4便で、最大でも「25分遅れ」なので、個人的には「飛行機の遅延」としては、大幅な遅れとはいえず「許容範囲」だと思います。
ただ、検討しなければいけないのは、「アルコール検査で基準値を超えた場合のバックアップ体制」です。
たぶん、成田・羽田行の便内での「客室乗務員の玉突き交替」があったのだろうと思いますが、他のバックアップ方法の検討も必要なのかもしれません。
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