2019年12月19日付の時事通信社が、
「「お前は寄生虫だ」 パワハラ横行、ノルマ未達者を罵倒 かんぽ調査委報告書」
という見出し記事が報じられていました。
この記事によれば、
・営業ノルマ未達者には「どう喝指導」が繰り返された
・朝礼など他の社員がいる場でののしられ、その場で泣きだす女性社員もいた
・土日休んで平気だったのかと詰問された
・部長から職場全員の前で謝罪させられ、精神的に追い詰められた
・調査では不適切営業で高い成績を挙げる社員を厚遇していたことも明らかになった
・不適切販売は黙認され、局長は問題行為に気付いても注意できなかった
・見て見ぬふりする企業風土が醸成されていった
・好成績を挙げていた別の社員は「営業手当欲しさに不適切な契約を多発させた」と告白した
・営業担当者らは不適切な手法を共有する勉強会を開催した
・かんぽや日本郵便の経営陣はこうした事実を把握できておらず、野放し状態だった
・役員の一人は「情報が上がってくる時点で『既に解決策を取っている』と下から説明がされ、そのまま受け取っていた」と悔やんだ
(記事の引用ここまで)
ということだそうです。
この調査報告書で明らかにされた「かんぽ生命」や「日本郵便」の保険販売の実態は唖然とするばかりです。
「経営陣はこうした事実を把握できていなかった」とは、本当なのでしょうか。
かんぽ生命や日本郵便の役員は、役所出身系か金融機関出身者のエリートなので、「お公家さん」のような人たちで人を疑うような性格ではなく、現場から叩き上げで役員になった人がいたとしても「保険業法違反もどきの営業で好成績を残して現在の地位に就いた人」だから、「不適切及び不正営業の事実」を役員会で共有することはできなかったのかもしれません。
ただ、仮に「お公家さん集団の役員」と「不正を重ねてのし上がった集団の役員」だったとしても、企業統治が機能していれば、内部監査で問題点は上がったはずです。
記事では、「情報が上がってくる時点で『既に解決策を取っている』と下から説明がされ、そのまま受け取っていた」と悔やんだ役員が居たそうですが、しっかりと、内部監査でこうした点を検証すれば、「本当に現場レベルで解決しているかどうか」の評価ができたはずです。
マネジメントシステム的に捉えて、仮に「役員陣がコンプライアンスなんて糞くらえ。バレなければ、顧客重視より組織の利益だ!」という悪党集団であれば、どうしようもないですが、仮に「役員陣は、実態が上がってくれば、まっとうな判断ができる」とするならば、「内部監査を有効的に機能させる」だけでも、こんな惨状にはならなかったと思います。
調査委員会には、「内部監査が機能していたのかどうか」について、調査・検証して欲しいです。
もし、「まともに機能していなかった」というのであれば、「有効な内部監査になるような指導助言」をさせていただきたいものです(笑)(誰か私を推薦してください!)
でも、「ぜひ、よろしく」という声は私には、掛からないだろうなぁ。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ677号より)
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