運送会社や物流会社の業務改善指導をしていて、必ず話題になるのは、
「片荷輸送」
です。
片荷輸送とは、「物流において、往路または復路のどちらか一方にしか荷物を積まないこと」を意味します。
ふつうに考えれば、ビジネス的に、片道が「空」にならないわけですから、業務効率が良いし、当然、売上も上がります。
また、環境的に捉えれば、他の会社やメーカーと協力して、共同配送などにより片荷輸送を解消すれば、トータル的には「環境に優しい輸送」ということにもなります。
つまり、一般的には、「片荷輸送解消」は、運輸業界において、永遠の課題なのです。
しかし、「片荷輸送解消」は、ケースによっては経営を圧迫する、と捉えている人もいます。
前述したように、片荷輸送は、トラックは行きも帰りも荷物を積めるので、売り上げは上がり理想的です。
しかし、積み荷を集約して片荷を減らし効率化を図っただけでは、ダメなケースがあるそうです。
具体的な問題は、
・ドライバーの長時間労働
・ドライバーの車中泊の助長
・小口荷物の場合、手積み作業が増える
といったケースです。
この結果、ドライバーの負担が増え、採用面で問題が出てくるそうです。
働き方改革の影響もあり、厚生労働省が策定した「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」によるとトラックドライバーの拘束時間は1日13時間が基本となります。
(注:状況によっては上限16時間までOK。ただし15時間を超えての拘束は週に2回まで。1ヶ月の拘束時間は293時間(書面による労使協定を結んだ場合は最大で320時間まで拘束可能))
オートメーション化が進んだ工場において「業務効率化」といえば、即利益アップにつながることが多いです。
しかし、人間が作業する部分が多い運輸業界では、業務効率化とともに労働環境にも配慮しないと「労働強化」になってしまうのです。
鉄道のように、長距離運行の場合は、途中で「乗務員が代わります」方式がトラック輸送の場合もできるといいのですが、難しいのでしょうね。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ649号より)
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