2019年11月21日付の時事通信社が、
「スズキ51万台リコール 制動力低下の恐れ」
という見出し記事を報道していました。
記事によると、
・スズキは、11月21日、制動力が低下する恐れがあるなどとして、リコールを国交省に届け出た
・リコールした台数は、3車種計51万7316台(2008年1月~13年2月製造)
・具体的な車種は、パレット、受託生産した日産の「ルークス」、マツダの「フレアワゴン」
・ブレーキホースが短いため、ハンドルを切るなどした際にホースに亀裂が入る
・ホースに亀裂が入ると、ブレーキオイルが漏れ出て利きが悪くなる可能性がある
・これまでに、不具合は106件確認された
そうです。
多くの人に知られるように、自動車製造の世界では、設計プロセスや製造プロセスにおいて、「FMEA(故障モード影響解析)」が用いられています。
FMEAとは、「不完全や潜在的な欠点を見出すために構成要素の故障モードとその上位アイテムへの影響を解析する技法」のことです。
ざっくりと説明すれば、ポイントは、「故障モード」という考え方である。
「故障」は「機能障害」、「故障モード」は、「故障を引き起こす不具合」と考えるわけです。
ある製品に起こりうる故障を全て考えるのは一般的に困難です。
しかし、故障を引き起こす不具合(故障モード)は、類型的に分類できるので、ある製品をモデルチェンジする場合、どのような故障が起きるかを直接予想することは難しいが、故障モードはどうして起こるか、どれくらい起こりやすいか、については予想が可能になるわけです。
今回のリコールは、記事から想像すると「ブレーキホースが短い」というものなので、製造工程における不具合ではなく、設計的なものだと思います。
しかし、リコール対象は、スズキ、日産、マツダの3車種です。
ブレーキホースの調達のために部品を共通化していたのかもしれません。けれども、各社で設計していたのであれば、当然、「ブレーキの利きが悪くなる」という機能障害(故障)と「ホースに亀裂が入る」(故障モード)という不具合は、設計段階で想定できたわけで、「3社とも設計での問題点をスルー」していたとは考えにくいです。
そのように考えると、リコール対象車種を製造していたのはスズキですが、日産、マツダの設計プロセスも再検証した方がよいのではないかと思います。
現在、106台にブレーキが利きにくいという不具合が発生しているそうですが、該当製造期間の各車種の製造台数と106台の車種の内訳を知りたいですね。
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