2019年10月3日付の共同通信が、
「関電監査役、総会前に問題把握 幹部の金品受領、公表見送り」
という見出し記事を報道していました。
記事によれば、
・関西電力の監査役が金品受領問題を2019年6月の株主総会を前に把握していた
・金品受領問題について、経営陣の対応に疑問を投げ掛けていた
・監査役は経営陣を監視する機能を担うが、関電の隠蔽体質を崩せなかった
・関電は、問題の公表を見送り、監査役の役割は機能不全に陥っていた
・経営陣が不都合な事実を隠してきたことを監督官庁の経済産業省は問題視している
・筆頭株主の大阪市の松井一郎市長も「新しい体制をつくるべきだ」と述べている
・経営トップの辞任要求が強まっている
という状況のようです。
関西電力に限らず、監査役の機能不全は、よくあることなのかもしれません。
本来であれば、監査役は社外取締役と同じように原則、社外から選任するべきですが、多くの組織では、内部昇格のような形で監査役に就いているケースが多いように思います。
また、月並みですが、不適切な事態が起きた時は、外部に公表する義務も法律で課すべきなのかもしれません。
しかし、「社会に対して不適切事象は公表する」、「監査役としての役割を俺は全うする」という仕事に対する正義感、責任感より、「監査役としての報酬は会社からもらっている」、「公表することで会社の利益が棄損される」と考え、こうした考えが正義感を上回るケースが殆どでしょう。
民間企業に対して、そこまで法律で縛ることは難しいのかもしれませんが、少なくとも上場企業の監査役は、社外かつ、組織外の機関が指名した人物が就く仕組みにして、問題を知っていたのに公表しなかった場合は監査役に罰則を科すといった法整備が必要なのかもしれません。
話題は少しそれますが、日本テコンドー協会の騒動もそうですが、国や地域を代表する団体や関電のような実質的には地域における唯一の公共企業は、経営陣が社会的に見て「おかしい」という状態になったら、外部から人事を見直せる制度を作らないとダメだと思います。
一般的な民間企業であれば、経営陣が「おかしい」状態になれば、業績が落ち、優秀な人材が抜け自然淘汰されるかもしれません。
しかし、分かりやすい事例だとスポーツ団体のような公益財団法人や関電のような実質唯一無二の会社は、「おかしくなったからお取りつぶし」というわけにはいきません。
けれども、たいていは、おかしくなった場合、内部からの改革、つまり自浄作用はまず、働きません。
いい意味での「外圧」の仕組みを整備しなければ、国や地域を代表する組織として、いい体制の時は問題ないですが、ダメになると戻すことができないと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ666号より)
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