2019年9月26日付の産経新聞によると、
「台風15号の影響で倒壊した市原市のゴルフ練習場の鉄柱を都内業者が無償撤去へ」
というニュースを報じていました。
記事によると、
・台風15号の強風で千葉県市原市のゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン」の鉄柱が倒壊した
・倒壊により、民家16軒が損壊した事故
・都内の解体業者「フジムラ」が、住民を対象に説明会を開き、無償で鉄柱を撤去する方針を示した
・練習場側から撤去の同意を得ていないため、いつ撤去を始められるかは未定
・説明会には住人ら約40人が参加した
・フジムラは撤去を無償で請け負うことや、撤去作業には全体で約2カ月かかることなどを説明した
・フジムラによると、鉄柱が倒れた翌日(10日)に、市原市に撤去の協力を申し出し、調整していた
そうです。
このような甚大な災害が起きた時は、みんな自分のことで精いっぱいですが、助け合いの精神が大事で、そういう意味では、「フジムラ」はアッパレです。
フジムラのウェブサイトを確認すると、
・環境と労働安全のマネジメント規格であるISO14001と45001を取得している
・学校や庁舎、陸上競技場などの解体実績が多数ある
・完工高はおおよそ50億円前後
という会社です。
撤去作業に約2ヶ月要し、作業員の人件費、重機の稼働コストなどを考えると、相当な「持ち出し」ですが、市原市には、フジムラの会長が自ら申し出したそうですから、「困っている時はお互い様」、「自社の強みを生かして社会貢献したい」という信念が経営者にはあったのかもしれません。
それにしても、問題は、ゴルフ場を経営している「市原ゴルフガーデン」です。
ゴルフ練習場のオーナーは70代の女性だそうで、報道されている範囲では、「住宅破壊・破損の加害者」にもかかわらず、誠意ある対応がされているとは思えません。
テレビ局の取材では、「天災だから住宅修繕費の負担はしない」と回答しているようですから、住民からしたら今後が不安でしょう。
ちなみに、ゴルフ練習場は、法律的には「第2種特定工作物」に相当し、開発許可を都道府県知事に申請しているはずです。
ゴルフ練習場のネットは、ゴルフボールが飛び出さないレベルの網の目ですから、強風が吹けば鉄柱に相当の荷重がかかります。
最近は、開閉式のネットのゴルフ練習場もありますが、市原ゴルフガーデンは、「ネットはつけっぱなし」だったのでしょう。
仮に、ゴルフ練習場オーナーが誠意ある対応を取らないとしたら、ゴルフ練習場の安全基準など、法整備も必要なのかもしれません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ665号より)
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