2019年8月28日付の朝日新聞が、
「ユニチカ、原料の検査データを改ざん 発覚後も公表せず」
という見出し記事を報じていました。
記事によると、
(以下、引用)
・繊維大手のユニチカは、台所用品や工業用品などに使う原料の検査データを改ざんしていたと発表
・取引先が求める基準に満たない製品が見つかっても、検査結果を書き換えるなどして出荷していた
・2018年10月に不正を把握していたが、これまで公表せず、取引先にも説明していなかった
・不正があったのは、水切り袋や防水テープをつくるメーカーに納めている「不織布」「ポリエステル繊維」の検査データ
・ユニチカと子会社の日本エステルが製造し、繊維の長さや熱収縮率といった社内の品質基準のほか、取引先とも独自に契約した基準がある
・ユニチカはこれらの基準から外れていても、満たしたように書き換えていた
・不正は、遅くとも2013年8月から5年間、76製品で改ざんされた
・殆どが基準を満たした製品と同等の品質があるとしているが、9製品については「実質的な改ざんがあった」
・ユニチカは2019年2月に外部の調査委員会を設置
・関係者の聞き取りを進め、品質管理部門の一部の担当者が不正にかかわっていたとした
・担当者は「納期を守るためだった。基準から大きく外れた製品は出荷していない」と説明している
・ユニチカは、不正の発覚後1年間にわたり事実を公表せず、取引先にも説明していなかった
・今回の発表でも、不正があった製品名や取引先を明らかにしていない
・ユニチカは「消費者の安全には問題がない。取引先には今後、説明してゆく。社内の管理態勢を強化して、再発防止に取り組む」としている
(引用ここまで)
他のメディアの報道によると、社長(当時)や経営陣も検査データ改ざんの事実を把握していたが、2019年7月の役員会で「公表しないこと」を決定していたというから、呆れてしまいます。
報道内容が事実だとしたら、経営陣に対して、株主代表訴訟が起こされる可能性もあると思います。
それにしても、工業製品メーカーの「検査データの不正」問題は、ここ数年、相次いで報道されています。
そのたびに、各社とも「再発防止に努めます」といいますが、ユニチカのように経営陣が「データ改ざんの事実を公表しない」と決定しているケースが、意外にも多い気がします。
理由としては、「消費者の安全に問題はない」ということですが、これは、「おごり」だと思います。
つまり、
「製品性能については素人の消費者が気づかないレベルでのデータ改ざんだから知らせる必要はない」
という発想です。
確かに、今の時代、些細なことでも、報道の仕方やSNSの普及で、ネガティブな会社の評判はあっという間に拡散されます。
「世間に公表しなければ大騒ぎにならないし、実質的に消費者に迷惑をかけていないから公表しない」
という論法だと思いますが、「信頼」という観点ではどうでしょう。
変な話、これだけ、多くの大企業で、検査データ改ざんが発覚する時代ですから、「対応の早さ」で、一時的には大騒ぎになりますが、結果的には、「経営陣は素早い対応を取った」と後々は評価されると思います。
検査データの改ざんについて、多くの会社は、再発防止策として、「自動検査機による検査で、データ改ざんができないようなシステムにする」という対応を取るケースが多いです。
ユニチカのケースは、担当者が改ざん理由として、「納期に追われていたため」としていますし、また、経営陣が「公表しない」と決めていますので、検査システム面の再発防止だけでなく、顧客との契約プロセス、組織体質にもメスを入れる必要があるでしょう。
ちなみに、「ユニチカ(株) 不織布事業部」は、ISO9001の認証を1998年に取得し、某大手認証機関が認証審査を担当しています。
認証機関が、どのような対応を下すのか、この辺りも注目したいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ661号より)
【好評発売中!】
『ISOの復権 マネジメントシステム認証制度が社会的価値を持つために必要なこと』
(ブイツーソリューション刊)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434262858/bloglogcom-22/ref=nosim/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)