2019年8月19日付のダイヤモンドオンラインが、
「いきなり!ステーキと鳥貴族の業績に急ブレーキがかかった理由」
という見出し記事を報じていました。
記事によると、
・運営するペッパーフードサービスは6月、2019年12月期の営業利益を下方修正した
・従来予想は55億円で、20億円へ修正
・通年の出店計画は210店から115店に減らすなど、成長に急ブレーキがかかった
・いきなり!ステーキは、“手軽に食べられる厚切り肉”という売りが消費者の胃袋をつかんだ
・高原価率の商品を提供する一方、客席の回転率を高めることで利益を生み出した
・苦境に立たされた最大の原因は、同店の特徴であった急成長そのものが裏目に出ていること
・いきなり!は、1号店を開店して以来わずか6年弱で約500店舗まで拡大した
・2018年は1年間で200店も出店し、外食業界では常識外れのスピード出店を続けてきた
・弊害の一つが自社競合
・特に、郊外エリアでは店舗の商圏を狭く見積もるなど想定が甘い
・清掃や接客といった店舗サービスの質が悪化し、消費者の離反を招いた
・こうしたニュースの動きも、PLと決算数値を使って読み解くことが可能
・2019年の業績予想を見ると、企業規模を表す売上高自体は右肩上がりに成長しいる
・ところが、肝心のもうけの大きさを表す営業利益率は急落している
・その要因は、新店以外で集計される「既存店売上高」が落ち込んでしまっているため
・営業利益は、売上高から原材料費や、人件費・店舗の賃料といった費用を引いたもの
・人件費や賃料は固定費と呼ばれ、売り上げが悪くても必ずかかってしまうもの
・つまり、売上高が下がれば相対的に固定費の負担は重くなり、営業利益は必然的に悪化する
・店舗数が増え、決算書上の売上高が増えても、既存店の業績が悪化すれば本末転倒
・店舗増加数を追ってみると、18年4月以来、既存店売上高前年比100%割れが続いている
・その直前から月に10店舗超の出店をしていて、出店拡大と既存店の落ち込みがリンクしている
・出店攻勢が既存店の業績に悪影響を与えPLの利益水準を落とす、これが、不調の構図だ
・・・
(引用ここまで)
引用が長くなりましたが、要は、記事では「いきなりステーキ!」について報道されている状況と決算書から、その裏付けを読み解くことができる、ということを記事では、メインに言いたいのでしょう。
こうした方向で記事が書かれている理由は、
「『週刊ダイヤモンド』8月24日号の第1特集は、「決算書 100本ノック! 2019年最新版」」
(2019年9月19日発売)
の宣伝の為でしょう。
私自身も、実が、この週刊ダイヤモンドの人気企画が好きで、「決算書100本ノック」を購入して、決算書を「解読する練習」に使っています。
このダイヤモンドオンラインの記事は、前述した引用のような流れで解読すると、決算書がそうなっている理由がわかるでしょう。
ただ、ひとつ気になるのは、記事の中で、
「高原価率の商品を提供する一方、客席の回転率を高めることで利益を生み出した」
と「いきなりステーキ!」の特徴を挙げていますが、いきなりステーキに使用されている肉の原価は、それほど高くない、という話を聞いたことがあります。
私の感覚では、「いきなりステーキの失速」は、
・「いきなりステーキ!」以外の競合他店が増え「ステーキ」を食べる選択肢が増えた
・ステーキ、焼肉店は、「素材で勝負」系飲食店なので、業態を真似しやすい
・記事にもあるように「いきなりステーキ!」同士で競合して売り上げダウン
・需要予測を見誤って大量出店(日本人はそこまでステーキを常食にしていない)
といった理由のように感じます。
少々、週刊ダイヤモンドの宣伝になってしまいますが、勉強になるので、今年も「決算書100本ノック」を購入しました。
まだ「積ん読(つんどく)」状態ですが(笑)
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