日本プロサッカーリーグの鹿島アントラーズの経営権をフリマアプリ大手の「メルカリ」が取得したというニュースが2019年7月30日に駆け巡りました。
プロスポーツ組織の運営会社が譲渡されるニュースは、日本だけでなく、海外に目を向けてもアメリカ大リーグやヨーロッパのサッカークラブでもよくある話なのですが、このニュースを聞いた時に殆どの人が驚いたのが、譲渡金額です。
報道によると、鹿島アントラーズ(株式会社 鹿島アントラーズ・エフ・シー)の親会社の日本製鉄が保有していた株式72.5%のうち61.6%を16億円でメルカリに譲渡する契約が結ばれたそうです。
メルカリが株式を取得する前の鹿島アントラーズ・エフ・シーの直近の状況は、
・資本金:15億7000万円
・売上高:73億3000万円
・営業利益:5億8300万円
・経常利益:5億8700万円
・純利益:4億2500万円
・純資産:21億6600万円
・総資産:33億7000万円
・決算期:1月期
・主要株主:日本製鉄 59.2%、自治体5市 7.6%
ということですから、プロスポーツ組織としては、優良企業です。
株主については、株を日本製鉄が59.2%、関連会社が13.3%を保有し、自治体5市の7.6%を加えると80.1%になるので、残りの19.9%を地元企業(発足時は43の企業)が出資している母体組織構造なのでしょう。
したがって、メルカリの株式取得により、
・メルカリ:61.6%
・日本製鉄と関連会社:10.9%
・自治体5市:7.6%
・地元企業:19.9%
となります。
日本製鉄は、経営権をメルカリに譲渡したとはいえ、約10%の株式を保有することから、完全に鹿島アントラーズと縁が切れるわけではなさそうです。
各種メディアの報道をあちこち見て回った印象だと、鹿島アントラーズは、
・ホームタウンは鹿島地域にこだわった
・都内にホームタウンを移すことを条件に100億単位の出資話もあった
・2012年に新日鉄が住友金属を吸収合併(現日本製鉄)し、住金の意見が反映しづらくなった
・日本製鉄はアマチュアスポーツとプロスポーツは性格が異なると認識している
・将来を見据えた親会社からの出資が期待できない
といった思いがあって日本製鉄に代わる親会社を望んだという面もあるようです。
Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)は、アマチュアスポーツが発展的に解消してプロ化した事例ですが、かつて日本経済を支えていた大企業が親会社であるケースが多いので、今後も、顧客層拡大など認知度を高めたい新興勢力の企業が経営権を取得する事例は出てくるでしょう。
ネットでは、メルカリだから「すぐに転売するのでは」と揶揄する声もあります。
しかし、従来の名門大企業にはない柔軟な発想で、観客動員数増につながる色々な企画をして行って欲しいと思います。
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