2019年7月26日付の日刊ゲンダイが、
「根付かない定額制サービス 高齢者にとって使い勝手が悪い」
という見出し記事の報道をしていました。
記事によれば、(概要)
・定額制サービス(サブスクリプション)は、音楽配信、雑誌、カフェ、家電など身近になった
・紙おむつのユニ・チャームは、保育園向けに乳幼児が使う紙おむつを定額で使い放題とした
・ユニ・チャームによると、メーカーによる紙おむつの定額導入は業界初
・週5日登園の0歳児が月額3240円、1歳児が同3024円、2歳児が同2700円
・定額制サービスは、消費者にとっては便利でお得と思いきや、意外にも利用者は少ない
・10~70代の男女1万489人に行った調査では、直近1年間で利用したことがある人は2割
・「(今後)利用したいと思う」「まあ利用したいと思う」の合計も約2割
・利用したいジャンルは、映像配信が53.3%、音楽配信、電子書籍等が20%強
・その他には演劇やコンサート、飲食店、日帰り旅行、温泉通い放題を望む声もあった
・「利用したいと思わない」「あまり利用したいと思わない」の合計は約5割
・進まない要因として、高齢者は、パソコン等を介して会員登録することにアレルギーがある
・若者は、定額のまとまったお金を払えない
(記事の概要ここまで)
ということだそうです。
確かに、この記事が分析するように、
『「利用したいと思わない」「あまり利用したいと思わない」の合計は約5割』
の中味は、
・高齢者のネットを介しての会員登録や支払いへのアレルギー
・若い世代の定額先払いをする経済的余裕がない
という理由は一因でしょう。
ただ、現在の高齢者の場合、今の現役世代が高齢者になる時よりも生活が豊かだとは言われていますが、それでも、基本的に「年金のみが収入」ですから、「オトクな買い物をしたい」という意識は強くあります。
例えば、私は、温浴施設や冬場にはスキー場に行きますが、温浴施設の定額サービスを利用しているのは、殆ど高齢者です。
また、スキー場のリフト券の年間リフト券(しかも65歳以上は割引もある)を利用しているのは、年金世代ばかりです。
つまり、「高齢者=定額制を利用したいとは思わない」では決してないと思います。
利用をためらう原因のひとつが、記事でも指摘があったように、「ネットを通じての会員登録やカード番号入力へのアレルギー」でしょう。
私の母も、以前はガラ携でしたが、スマホを使用するようになり、YouTubeやテレビやラジオで紹介された商品をスマホで検索して調べる機会が多くなったようです。
ただ、こうしてネットを通じてショッピングをすると、設定の問題もありますが、ネットの世界は「色々なトラップ」が巧みに仕掛けられている(いつの間にか同意している)ので、一度購入したネットショップから頻繁にお知らせが来たりするようになると、うんざりするようです。
若い世代であれば、購入するときに「今後のお知らせ配信」のチェックマークを外したり、案内が来ても受け流す技術がありますが、高齢者は、「紙で送られてくるダイレクトメール」には対応できても、こうしたネットでのDMにはアレルギーがあるわけです。
私は、世の中の世代的には「高齢者に近くなった中年」ですが、この話題では、現役世代なので「若者」に入れて話を進めるならば、定額サービスは、インターネットやスマホのパケット代、映像配信や電子書籍・コミックの定額制はありがたいです。
しかし、日用品に関しては「必要な時に購入すればよい」「いろいろな店舗を利用してみたい」という欲求もあり、定額制は敬遠しています。
インターネットやパケ放題のような料金プランは、従量課金制と比較して、明らかにオトクなので、多くの人のニーズにあっています。
「そんなに利用しないのに定額制はもったいない」と思われないようなプランの企画と、高齢者向けの「簡単登録」や「余計なDMをメールで送りつけない」仕組みが、「あまり利用したくないそう5割」を切り崩すカギということは間違いない、と思います。
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