2019年7月9日付の日刊工業新聞が、
「ドコモショップ店員、スニーカーOKに。「#KuToo」意識?」
という見出し記事を掲載していました。
記事によると(以下、引用編集)、
・NTTドコモは2020年にドコモショップの制服を刷新する
・制服刷新に合わせて、スニーカーを履けるようにする
・KDDIは19年5月から一部店舗で、通年でのスニーカー着用を認めた
・職場で女性がヒールやパンプスを履くことを強要されることに異を唱える動きが広がっている
・携帯大手は立ち仕事が多いショップ店員の足元を改善し、ストレスなく働ける環境を整備する
・NTTドコモは、女性店員が履く靴はヒール高3.5と6.5センチメートルからの選択制
・NTTドコモは約4年に1度の制服刷新のタイミングに合わせて一律スニーカーとする予定
・足元だけでなく、カジュアルなジャケットやパンツスカートへの切り替えも検討中
・ソフトバンクは6―10月のクールビズ期間にスニーカーを履いて働ける
・各社とも働きやすい靴や制服の実現に歩み出している
(引用ここまで)
色々意見はあると思いますが、高級ホテルのレストランのホール係やアパレル店員などを除き、消費者は、直接、顧客と接するサービス業のスタッフさんに、こうした身だしなみは求めていないと思います。
20年ほど前、まだ、クールビズが一般的でなかった頃は、バスの運転士さんが、夏季に「脱帽、脱上着」姿で勤務するために、わざわざバス車内に「夏季期間中の運転士の制服に利用者の皆さまのご理解をお願いします」旨の張り紙がされていましたが、今では、そのような張り紙はありません。
つまり、世の中が、「直接消費者と接するサービス業従事者に対して、労働環境を優先した格好で働いてください」と容認することが常識になっているわけです。
今回の携帯大手各社の販売店スタッフの制服のカジュアル化についても、こうした世の中の常識の変化と同様で、「接客スタッフが、カジュアルなジャケットやパンツスカート、スニーカー姿がけしからんし、不快だ」と考える消費者は、アンケート調査をすれば、あまのじゃく的な回答者もいるとは思いますが、感覚的には、数パーセント未満でしょう。
話は少しそれますが、サービス業における制服姿は、一般利用者と識別する役割があれば、本質的には十分なはずです。
例えば、私は、これまで、
・友人とホテルの入口で待ち合わせしている時
・百貨店で友人の買い物に同行している時
にそれぞれ、ホテルスタッフ、百貨店スタッフと間違えられて、一般の利用者にものを尋ねられたことがあります。
サービス業において、スタッフさんが、常にじっと見ているような環境は困りますが、困った時にスタッフさんを容易に探せる格好をしていてくれないと、利用者には不便です。
ただ、銀行窓口や携帯ショップスタッフなどは、多くの場合、ホテルや百貨店スタッフと違って、来店客と区切られた区間側にいることが多い(もちろん、店内の案内係の方もいますが)ので、「銀行スタッフの方だな」、ドコモスタッフさんだな」というように識別が付いていれば、制服の目的は果たしています。
そういえば、航空会社のスカイマークが数年前に一時期、フライトアテンダントさんと地上係員の制服をカジュアル化しました。
個人的には、おそらくカジュアル制服の方がコストも安いし、機内では安全誘導員としての役割の方が本来は重要なので、動きやすい格好でいいじゃないか、と評価していました。
現在は、他の航空会社のような制服姿に戻してしまいましたが、おそらくこれは、「アテンダントさんや地上係員に、しっかりした制服を着用させて、憧れの職業としないと良い人材が集まらない」という経営判断があったように(勝手に)思っています。
「携帯ショップの制服が素敵だから働きたい」という学生さんも中には、いるかもしれませんが、
・消費者に対して不快な格好ではない
・しっかり一般利用者との見分けがつく
・働いている人の健康を損なわず(例:外反母趾など)業務効率もいい
といった要件が揃っていれば、携帯ショップはもちろん、他のサービス産業もどんどん制服を刷新していいのではないかと思います。
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