バルセロナ五輪銀、アトランタ五輪銅の有森裕子さん、アテネ世界陸上金の鈴木博美さん、シドニー五輪金の高橋尚子さん、パリ世界陸上銅の千葉真子さん(いずれも種目はマラソン)の指導者だった小出義雄氏が2019年4月24日に80歳で亡くなった。
各メディアが、一斉に小出監督の訃報を伝えていますが、私も備忘録として、小出氏のエピソードを書き留めておきます。
(以下、日刊スポーツから引用編集)
《指導法は“15人15様”》
・女の子ってのはね、言葉には出さないけど心の中では『私をしっかりかわいがってください』とみんな思うわけ、だから平らに見ないといけない
・15人いれば15の性格がある
・有森選手には『コレやれっ』て言うと、ピシッとやり返され、ケンカになる
→小出氏は、2段下がって『有森先生、有森先生』って呼んだ
・鈴木選手の場合は、友人関係か僕が半歩下がった感じで接した
・高橋選手は素直に『コレやれっ』って言うと『ハイハイ』とついてくる
《22歳で順天堂大学へ》
・箱根駅伝に出たくて出たくて仕方なかった
・貧乏な農家に育ったから大学に進学できず、電話線工事のアルバイトなどで学費をためた
・あこがれの箱根駅伝に1年から3年連続出場
・誘ってくれた帖佐寛章監督のスパルタ指導も苦ではなかった
・絶好調で迎えた4年秋は右足のけんしょう炎で、箱根メンバーから漏れた
・人間は1回、ドン底を見ないとだめ、人に対する感謝の気持ち、頑張りとか……出てこない
・もし一流だったら、どうすれば(平凡な選手が)速くなれるか、分からなかった
《下ネタも武器になる》
・選手の前でいつもエッチ話したり、そのものズバリ言ってやる
・開けっ広げな指揮官の姿が精神的に追い詰められた選手を救う
・練習前は精神的なつらさからショボーンとして目がトローンとなっちゃう
・練習が終わるとニコニコして口数が多くなる
・練習前に少しでも、そんな明るい態度が欲しい
・苦しい顔はしてもいいけど絶対にイヤな顔しちゃいかん
・監督が二日酔いでも、選手が『よーし、やるぞ』と輝いた目をしてたらいい練習ができる
・だから一人ひとりの目が輝くような会話を持っていく
・『監督、バカばっかり言ってないでしっかりしてください』て怒鳴られたらコッチの勝ち
(引用編集、ここまで)
私が小出監督の存在を知ったのは、小出監督が市立船橋高校の先生をされている時です。
1986年の第37回全国高校駅伝で市立船橋高校を優勝に導いた時で、キャラクターのたった監督だなぁ、とテレビ越しに強い印象を持ちました。
その後、マラソンを趣味でするようになって、千葉マリンマラソンや佐倉朝日健康マラソンなどに出場すると、小出監督がゲストで毎年呼ばれていて、「生の小出監督」を拝見しました。
間近で拝見すると、小柄ですが、非常に存在感のある方でした。
小出さんの功績はいろいろあると思いますが、私が印象深いのは、
『世界記録を作りたいなら世界記録を作る練習、五輪でメダルを取りたいならメダルを取る練習がある。非常識じゃなきゃ常識的な記録しか出ないんだよね』
という「当時の常識破り」な練習です。
長生高校や佐倉高校教員時代は、高校女子長距離が800mしかなかった時代に、高校生を青梅マラソン(30キロ)やフルマラソンに挑戦させたことでしょう。
つまり、将来、女子競技にマラソンも採用される、と先読みしたわけです。
今年の3月に開催された名古屋ウィメンズマラソンでは、教え子の応援で現地に訪問されていたそうです。
また、3月には「指導者引退」の報道もあり、体調が悪いと聞いていたので、指導者として一線を離れてのんびりと教え子たちを見守っていくのだろう、と勝手に想像していました。
それにしても、指導者引退発表から約1か月後の訃報。
なんとも残念です。
心から小出監督のご冥福をお祈りいたします。
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