2019年4月15日に、フランス・パリ中心部にある観光名所のノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生しました。
火災は、約15時間後に鎮火したそうですが、高さ約90メートルの尖塔が、火災から約1時間後に焼け落ちたものの、大聖堂を象徴する南北の塔は崩落を免れました。
フランスのマクロン大統領は「再建」を約束し、フランス国内外から寄付の動きが既に始まっていることを各メディアが報じていました。
各メディアによると
・火災は午後6時50分(日本時間16日午前1時50分)ごろに発生
・1時間ほどで木製の尖塔や大聖堂の屋根が焼け落ちた
・消防士約400人が消火作業にあたり、1人がけがをした
・出火当時、大聖堂は改修工事中
・尖塔の周囲に組まれていた足場付近から火が付いた可能性が指摘されている
・出火時は閉館時間帯で観光客らはおらず放火の形跡もなかった
・再建には莫大な資金が必要なため、パリのイダルゴ市長は国際的な寄付を呼びかけた
・すでに寄付が集まり始めている
・フランスの資産家ベルナール・アルノー氏は252億円相当の寄付を表明
・グッチやサンローランを保有するフランソワ・アンリ・ピノー会長は126億円の寄付を表明
・大聖堂はユネスコの世界文化遺産にも登録されている
・聖遺物「いばらの冠」やカペー朝の王の上着などの貴重な所蔵品の一部は無事だった
・大きな絵などはそのままで、被害が懸念されている
そうです。
報道から想像すると、おそらく出火は、「工事資材の管理不備」などによるものでしょう。
日本でも、2019年2月25日に、JR中央・総武線が4時間以上にわたって不通となりました。
この不通の原因となった停電は、鉄橋補強工事において火の粉が飛び散ることから火災防止の防炎シートの管理が不備で、そこから出火し、近くの電線ケーブルが燃えたことでした。
このように、工事関係の火災は日本でもよくある出来事です。
ノートルダム大聖堂の火災を受けて、日本の各地の文化財の防火への取り組みを各報道番組が取材していました。
各地の文化財について火災対策は、防火対策や避難誘導など、たぶん地元の消防署の指導もあり、取材映像を見ている限りは、しっかりやられているように感じました。
ただ、これらの取組みは、日常の中で発生する火災です。
気をつけなければいけないのは、やはり「改修や修繕工事」でしょう。
工事の作業中は、人もいますが、2月のJR火災のように「人がいない時間帯」に出火した場合も「うちは大丈夫」という文化財施設は少ないでしょう。
建設会社では、協力業者を集めて安全大会を実施します。また、ISO認証機関は、審査で安全管理や緊急事態の想定と取り組みについて必ず確認します。
「工事における火災の発生と対応」が今年の安全管理や審査のテーマになることは間違いないでしょう。
それにしても、フランスの大富豪の「寄付額」が桁違いです。
法隆寺の五重塔や東照宮陽明門がもし火災になったら、日本の富豪は、100億単位で寄付金を申し出る人はいないのではないかと思います。
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