組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「登録範囲の表記と産業分類」について。
以前のコラムで、JABに認定されているISO審査登録機関(認証機関)は、登録証に記載する登録範囲の表記について、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)については、原則、NACEコード(経済活動分類)に基づいて、産業分類が特定できる表記で登録証を発行していることを解説しました。
すると、知人から「このような表記も議論の余地があるよね」という連絡をいただきました。
具体的な組織と登録表記を詳細に紹介すると差し障りもあるので、若干編集していますが、次のような事例です。
事例1:
・登録組織A
・登録表記:
1)住宅の開発・設計
2)住宅の住宅ユニットの製造及び部材の調達
3)住宅の設計管理、生産管理、施工管理、アフターサービス管理
・産業分類:6(木材等)、17(基礎金属、加工金属)、34(エンジニアリング等)
検討事項:
3)は、1)、2)を管理する組織内部のプロセスで市場に提供する製品・サービスではない可能性
事例2:
・登録組織B
・登録表記:
1)電気制御システムの設計及び施工
2)産業機械の設計、製作及び据付
3)電気制御システムに関する装置の製作
・産業分類:18 機械、装置、 28 建設
検討事項:
3)は、産業分類19が必要となる可能性
事例3:
・登録組織C
・登録表記:
1)防火水槽の据付及びアフターサービス
2)自動ドア装置、高速シャッター、防排煙設備の据付、保守点検及びアフターサービス
・産業分類:17(基礎金属、加工金属)、28(建設)
検討事項:
「保守サービス」が単独の製品・サービスであるならば産業分類「23(33.1)」(その他の装置の修理業)が必要
事例4:
・登録組織D
・登録表記:「住宅部材の製造及び出荷」
・産業分類:6(木材等)、16(コンクリート等)、17(基礎金属、加工金属)
検討事項:
「出荷」は組織のプロセスであり登録表記としては不要の可能性
事例5:
・登録組織E
・登録表記:
1)造園工事(公共工事に限る)
2)土木構造物の施工(公共工事に限る)
3)緑地維持管理業務(公共工事に限る)
4)指定管理者業務
・産業分類:28(建設)、35(その他専門サービス)
検討事項:
「指定管理者業務」は「発注形態」であり、具体的な製品・サービスの表記が必要
上記の事例は、ほんの一例ですが、登録組織のウェブサイトと照らし合わせてチェックすると「登録範囲の表記」に懸念があるもの、「産業分類」に懸念があるものがあることが分かります。
実際には、組織の状況や認証機関の登録表記や産業分類の考え方をお聞きしないと適否の判断はつきませんが、少し気になるところです。
なお、今回のテーマである「登録範囲の表記と産業分類」は、
・市場や社会に対して登録組織の情報を正確に伝える
という目的があることには間違いがありませんが、もうひとつ重要(どちらかというと認証機関の認証プロセスを評価する上で)なことがあります。
それは「組織審査担当している審査員の力量」です。
審査員の力量は、産業分類と連動して規定しているケースが多いので、「その組織審査に適切な審査員が配置されていない可能性」です。
登録範囲の表記と産業分類については、もっと複雑な議論が必要なケースが他にたくさんあります。
機会をあらためて、コラムで取り上げてみたいと思います。
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