2019年1月から放送が始まったNHKの大河ドラマ「いだてん」の視聴率が芳しくないそうです。
2月10日放送回の視聴率は、ついに「9.9%」(関東地方)。
大河ドラマの視聴率が、10%を切ったのは、過去に3作品あり、それは、2012年の「平清盛」、2015年「花燃ゆ」、2018年「西郷どん」。
しかし、各作品が、最初に10%を切ったのは「平清盛」が8月5日(7.8%)、「花燃ゆ」は4月12日(9.8%)、「西郷どん」は10月7日(9.9%%)といずれも4月以降。
2月(第5回放送)での10%切りは史上最速だそうです。
2019年2月14日付の日刊スポーツでは、
・NHK定例放送総局長会見が13日にあり、「いだてん」のテコ入れをする
・PRとか解説番組とか、いろんな形で補強して、前半のヤマ場を楽しんもらう
・「いだてん」は、時代が前後に交差して分かりにくいとの声が多い
・物語についていけない、主に年配の大河ファンが離れているとみられる
そうです。
ご存知のように、「いだてん」は、
「日本が初めて夏季オリンピックに参加した1912年(明治45年)のストックホルムオリンピックから、幻となった東京オリンピック(1940年の予定が、戦争で返上)開催を決めた1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックを挟んで、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催までの52年間の知られざる歴史」(ウィキペディアより)
を描いています。
主人公は、日本人初のオリンピック選手となった「日本のマラソンの父」金栗四三と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治(日本水泳連盟元会長)の2人で、主人公をリレーする形式です。
視聴率が低い原因について、多くの報道では、「時代が前後に交差して分かりにくい」ことが言われていますが、
・金栗四三と田畑政治が歴史上の人物として認知度が低い
・時代が主に大正以降の近代で大河ドラマっぽくない
ことも上げられるのではないでしょうか。
個人的には、「いだてん」が大河ドラマに決まったときに、
・東京オリンピックを盛り上げるための国策ドラマかも(でも個人的には興味津々)
・金栗四三さんを主人公にするのは面白い
と率直に感じました。
私見ですが、NHKが企画するテレビ番組で「紅白歌合戦」と「大河ドラマ」は、永遠に続けてもいい番組だと思っています。
そう考えた時に、安定志向で「大河ドラマの視聴率を手堅いものにする」という目先の結果を追い求めるのであれば、
・戦国時代ものにする
・多くの日本人が知っている戦国武将を主人公にする
という大河ドラマでいいと思います。
極端なことを言えば、水戸黄門や遠山の金さんのような番組を作ればいいわけです。
しかし、予定調和な大河では、年配者には楽しめても、若者や現役世代にとっては面白くありません。
近代を扱った歴史ものドラマでも、最近でいえば、「坂の上の雲」(NHK:2009年~2011年)や「坊ちゃん」(フジテレビ:2016年)のように視聴率が取れるものもあります。
坊ちゃんは、フィクションですが、坂の上の雲は秋山好古を題材にしたノンフィクションで歴史上の人物ではありますが、教科書で誰もが知っている人物ではありません。
つまり、「歴史的超有名人」を題材にしなくても視聴者は支持するのです。
ビジネス的な点で捉えれば、「新しい視聴者層を獲得する」ための「実験的大河ドラマ」があってもいいわけで、要は「長い目で見る必要」があると思います。
「いだてん」は、ドラマの最後に「このドラマは史実を基にしたフィクションです」という注釈テロップが入る大河ドラマとしては異例の作りです。
そして、金栗四三と田畑政治を主人公として、古今亭志ん生が、架空の落語である『オリムピック噺』として語りにのせて進行していく形式です。
ただ、ビートたけし氏を語り役にしたのは、失敗だった気がします。
活舌が悪くて聞き取りにくいし、「古今亭志ん生」をリアルタイムで知っている世代としては、「どうみてもビートたけし」にしか見えません。
「まだ間に合うこれまでのあらすじ」的なテコ入れ番組は、民放もよくやる手法ですが、どのぐらい効果があるか注目です。
個人的には、今のところ「おもしろい」ので、リアルタイムで見れない時は「録画して」でも視聴したいと思います。
【好評発売中!】
『ちょロジ ニュースで学ぶ7つの思考法』(パブラボ刊)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4434176552/bloglogcom-22/ref=nosim/
【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓
(パソコンでアクセスしている方)