組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISO認証制度がある。
このISOマネジメントシステム審査について、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「マネジメントシステム認証の信頼性が高まる認証書の標記」について。
今回のテーマでよく話題になるのが、
◆「製品実現プロセスの事例サンプリングができない場合の認証書の標記は本来どうあるべきか」
です。
ISO9001の認証が日本において普及し始めたころ、つまり、1990年代前半は、「設計開発の事例の有無」の議論がありました。
これは、どういうものかといえば、製造業において、ある程度、技術が確立している汎用タイプの定番商品が99%で、いわゆる「設計開発する製品」は、1~2年で1件あるかないか、という場合の審査についてでした。
このケースで、問題になるのは、
「認証サイクル3年で設計事例が1回もなかった場合」
です。
考え方について、大きくは「2つ」あり、ひとつは、
「設計開発を適用除外にして認証書を発行する」
という方法です。
この方法は、市場に対しては、「誠実」な認証の公表といえるかもしれません。
ただ、このケースは、「組織に設計開発の責任が生じない場合」が基本です。
つまり、発注元が製品の設計を担っていて、委託工場のように「生産することが目的の組織」が認証を受ける場合は、問題ありません。
しかし、組織に、設計する気は満々で、かつ、能力も、仕組みもあるのに、「受注がなく実例がない」場合は、キビシイといえるかもしれません。
ふたつめの考えは、
「「○○の設計、製造」として認証書を発行する」
という方法です。
ISO認証は、仕組みが確立され、継続的に改善されているか、を認証すべきものですから、審査を通じて、「設計の仕組み」、「設計する組織の能力」がしっかり確認できれば、いいといえるかもしれません。
「事故や緊急事態、苦情」のように、「発生しないものは、事例は確認しようがない」のですから、仕組みや実行能力をどのように組織が維持しているかを確認でいればいいのではないか、という意見はもっともです。
ただ、マネジメントシステムの要求事項の重要度でいえば、設計開発は高いといえるので、「事例を審査で確認していないのに、そのまま登録証を出していいのか?」という疑念は必ずあります。
そこで、私は、私見ですが「ふたつめの考え」プラスαを提案します。
つまり認証書に、
「○○の設計、製造」(ただし、設計についてはシステムは確立していたが事例確認ができていない)
というような標記です。
もちろん、その後のサーベイランスで設計事例が確認できれば、但し書きは削除した認証書を出せばいいわけです。
このケースは、「設計開発事例」ですが、逆に「施工管理プロセス事例がない」ケースもあります。
例えば、大規模なプラント建設を主たる事業とするエンジニアリング会社では、プラントの保守・メンテナンス業務はあっても、新規施工案件は、設計事例はあっても、施工事例は数年無い、というケースはあります。
この場合、認証書は、
「○○プラントの設計、施工、保守・メンテナンス」(但し、施工については現地施工は除く)
というような標記になります。
マネジメントシステム審査は、いくら「仕組みの審査である」といっても、認証機関が認証書を発行するということは「仕組みがあって、それを規制要求事項や顧客要求事項に対して実施可能な能力があること」を認証機関は、自信をもって市場に公表するわけですからですから、事故や緊急事態のような非定常業務でない限り、事例が数年(一般的には1認証サイクル)確認できなかったら、なんらかの限定が付いた認証書を発行するのが本質ではないのだろうか、と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ609号より)
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