2019年1月23日付の日経ビジネスによると、ビール系飲料国内5位のオリオンビールは、野村ホールディングスと米投資ファンド、カーライル・グループによる買収を受け入れることを決めたそうです。
このニュースは、すでに各メディアが、動向を報じていましたが、1月23日に開催された取締役会で決まったそうなので、現経営陣も、海外販路に関する経営資源があるカーライル・グループ等に買収された方が、会社としてもっと成長できると踏んだのでしょう。
記事では、
・オーシャン・ホールディングス(野村51%、カーライル49%出資)がTOBを行う
・約600人いるオリオンビールの株主から株式を取得する
・買い付け期間は1月24日から3月22日まで
・買収金額は最大で500億円超になる見込み
・オリオンビールの現筆頭株主で10%を出資するアサヒビールはTOBに応じる
・アサヒビールは、再出資により現状の出資比率を維持するとみられる
そうです。
食品工場の仕事をするので、飲料製品詳しい人に聞いた話ですが、飲料製品は、工業製品ではありますが、
「同じレシピ、同じ原料であっても、製造に使用する水によって味が変わる」
そうです。
この「微妙な違い」は、「官能検査員」や「その製品を愛飲する通」でなければ、わからないレベルらしいです。
確かに、内地の水は、全般的に軟水、沖縄の現在の水道水は、世界保健機構(WHO)の基準に照らせば、一応「軟水」の部類ですが、「中程度の軟水」なので、内地の工場でオリオンビールを製造すれば、「微妙な違いが分かる人」には、「オリオンビール名護工場で作るビールとは違う」と感じるのでしょう。
また、食べ物は、気候、風土など、どこの土地で食するかでも「味が違う」と感じます。
食材は違いますが、ソーキそばに入れる「島トウガラシ」ですが、沖縄でソーキそばに入れると、ピリッと辛くて美味しいですが、お土産で、ソーキそばセットと島トウガラシを購入して内地で作って食べても、イマイチです。
また、長粒米で製造する「泡盛」もそうです。
沖縄で飲むと「美味しい」と思っても、内地で飲むと「クセが強いなぁ」と感じることもしばしばです。
そんなこともあるので、野村&カーライル・グループに買収されることで、経営的な外界進出は期待できますが、製造効率を重視した「海外拠点でのオリオンビールの製造」は、やめて欲しいな、と思います。
そもそも、「オリオンビール」は、地ビールだから内地の人も観光で沖縄を訪れれば、飲みたくなるわけです。
国内市場は、国内消費者のビール離れや少子化で、「苦戦」が予想されるので、経営的には今回の買収は「良い方向」に向かうでしょう。
しかし、もともとのオリオンビールじゃないビールが製造される単なるビール会社に変質していくんじゃないのかな、という気もする今回の買収ですね。
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