2018年12月14日付の中国放送が、
「ため池5000か所を廃止へ 豪雨災害受け広島県が方針」
というニュースを報じていました。
ニュースによると、(以下引用)
・2018年7月の豪雨災害で死者を伴う被害の原因にもなったため池について、広島県は利用されていないおよそ5000か所を廃止する方針を明らかにした
・広島県内には、全国で2番目に多い1万9609か所のため池がある
・廃止されるのは現在使われていないおよそ5000か所
・500カ所の内、人的被害が出る恐れがあり、緊急な対応が必要な500か所については2021年までに廃止する
・利用されているため池のうち、管理者が誰かわからないなど管理体制が不明確なものは、400か所あり、利用を続けるか廃止するかを検討する
・一方、ため池全体のうちこれまでにおよそ500か所が優先的に対策を行う「防災重点ため池」に指定されていますが、災害を受けて公表された国の新たな基準を踏まえると、5400か所程度に増える見込みで、県は早急に浸水想定区域図を作るとしている
・広島県ではこれらの対応を盛り込んだ「ため池の管理などに関する方針」を年度内に取りまとめたい
ということです。
素人意見ですが、気になるのは、
◆ため池および周辺地域の生物、植物の絶滅危惧種の影響
◆ため池の治水としての役割は大丈夫か?
という点です。
今年7月の豪雨では、ため池の存在が、水害被害の拡大、というデメリットになりました。
しかし、「ため池」には、一般論として、
・耕作地への送水源としての役割
・真夏の渇水時期の対策としての役割
・溜めた水を水田などに供給することで冷害対策としての役割
・河川増水時の調整池としての役割
・ウィンドサーフィン、釣りなど娯楽としての役割
などの役割があります。
ニュース報道された「現在使われていない」とは、「農業用として」や「娯楽施設として」の意味ではないでしょうか。
確かに、管理者がいない、安全管理が脆弱、といったため池は、水害だけでなく、日常の中での事故の危険もあるので、「廃止すること」には、基本的に賛成です。
ただ、生態系や治水といった点でも、本当に影響がないのか、しっかりと専門家に環境影響評価をしてもらってから、「廃止の可否」を決めるべきだと思います。
仮に、「ため池を廃止したことによる水害の発生」が起きた場合、行政は大きな過ちをしたことになります。
また、話は逸れますが、ため池を廃止して、再開発や宅地造成する場合も、言わずもがなですが、慎重さが求められます。
2018年9月6日の北海道胆振東部地震では、以前(40年ほど前)、河川だった部分を埋め立てて宅地化(札幌市か開発許可)した地区が、液状化現象により、大変なことになっています。
ちなみに、広島県のため池数は、全国2番目に多いそうですが、ベスト10を挙げると、
・兵庫県
・広島県
・香川県
・大阪府
・山口県
・岡山県
・宮城県
・新潟県
・奈良県
・和歌山県
だそうです。
他の県のため池に関する管理方針は、どうなっているんだろう??と思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ624号より)
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