2017年6月に、神奈川県大井町の東名高速道路で、あおり運転を受け無理やり停車させられた静岡市清水区の夫婦が別のトラックに追突され死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋被告(26)の裁判員裁判の判決公判が2018年12月14日に横浜地裁で行われ、懲役18年が言い渡されたそうです。(求刑は、懲役23年)
テレビのニュースや報道番組で、町の声を紹介していましたが、多くの声は、「刑が軽い」というものが多いように思いました。
また、亡くなった夫婦の友人のトラック運転手も「(懲役が)短いな」と感想を漏らしたそうです。
この事件は、当時の状況が取り調べや裁判で明らかになるたびに、国民の多くは、「ひどすぎる」、「むごい」、「裁判でもあくびをしていて反省の色がない」・・・など被告に対して、怒りを感じる人が多くなったように思います。
私自身も、個人的には、残された萩山さんの娘さんの立場で考えれば、「被告には重刑を課して反省してもらい、このような痛ましい事故が2度とおきないようにするべきだ」と思います。
ただ、誤解を恐れずに言えば、裁判でも争点となった「停車後の危険運転致死傷罪の適用」について、「今回の判決は、世論に押されて、ちょっと強引に適用しすぎているのではないか」という気がします。
そもそも「危険運転致死傷罪」は、端的には、「車の運転に伴う致死傷」が前提です。
萩山夫婦の直接の死亡原因は、「後続車のトラックが追突したこと」で、その状況だけ見れば、石橋被告は、「危険運転に伴う直接の死亡事故には関与していない」ことになります。
もちろん、この時の状況を考えれば、
「あおり運転」→「走行車線に停車させた」→「車のドアを開けて萩山さんに暴行」→「石橋被告は車から離れる」→「後続車のトラックが萩山さんの車に追突」
なので、「石橋被告が追突死亡事故原因を作ったこと」は明白です。
ただ、繰り返しますが、その行為が「危険運転致死傷罪」となるか、というと、拡大解釈しすぎだと思います。
だからといって、暴行罪や脅迫罪、監禁罪だと、危険運転致死傷罪より微罪となり、長い懲役を石橋被告に課すことはできません。
変な話ですが、石橋被告が、
・他にもあおり運転をしていた事例が多数あった
・遺族に対する反省や謝罪の気持ちが見られない
という状況だったので、「被害者が死亡という最悪の結果になった」ということもあり、検察サイドは「無理くり危険運転致死傷罪を適用させた」わけで、裁判所もその検察の主張に基本的には乗っかった(支持した)ということになったのではないかと思います。
仮に、石橋被告の日頃の態度が極めて真面目で、遺族に対する謝罪やマスコミに対して深い反省の態度を示していれば、もっと、刑は軽かったのではないかと思います。
ただ、感情論ですが、
・ちんたら(法定速度で)走っている車をあおる習性
・一部の報道機関に面会したいなら30万円払えと書いた手紙を送った
といわれる石橋被告ですから、微罪の刑ではなく、比較的重い刑が下されたことは仕方がないし、国民感情を考えても当然といえるのかもしれません。
しかし、「現状、この事件の結果の重さに応じた適切な罪状がない」ことを理由に「危険運転致死傷罪を(強引に?)適用させたこと」は、法治国家としてどうなのだろう?という想いもあります。
ありきたりの意見ですが、危険運転致死傷罪が想定していなかった状況についても、法律にきちんと盛り込む法改正が急がれるのではないかと思います。
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