2018年12月11日付の読売新聞が、
「秘湯の一軒宿「日帰り温泉に勝てず」相次ぎ閉館」
という見出し記事を報じていました。
記事を要約する相次いで閉館する経緯は、以下の通りでした。
・温泉通や地元住民などに親しまれてきた秘湯の一軒宿などが、今年相次いで閉館した
・施設の老朽化や後継者難などが(閉館の)理由
・今年閉館したのは、いずれも100年以上の歴史を誇る「馬追温泉旅館」(北海道長沼町)や、蟠渓(ばんけい)温泉の「伊藤旅館ひかり温泉」(壮瞥町)、ニセコ昆布温泉郷の「鯉川(こいかわ)温泉」(蘭越町)など、少なくとも5軒に上る
・馬追温泉は1908年創業の一軒宿で。10月31日に4代110年続いた歴史に幕を閉じた
・開湯以来、約800メートル離れた岩の間から湧き出す冷泉(単純硫黄泉)を旅館まで引き、沸かして提供していた。春にはエゾヤマザクラが咲き誇り、札幌から車で約1時間という近さもあって多くの温泉ファンに愛されてきた
・9月の北海道地震で特に被害はなかったが、60年代に建てられた建物や施設が老朽化し、後継者もいないことから、飲食店営業許可の期限が切れる10月末のタイミングでの閉館を決めた
・道内の2016年度の温泉宿利用者数は全国トップの1315万人で、5年前から2割も増えるなど、「温泉熱」は高まる一方
・札幌市の豊平峡温泉が大手の旅行サイトのランキングで1位に輝いたほか、ススキノや狸小路の入浴施設が連日にぎわいをみせている
・「近くに大きな日帰り入浴施設がいくつもできて、とても太刀打ちできない」と、馬追温泉旅館の元女将、新納博子さん(58)は打ち明ける
・施設の買い取り希望を数件受けているといい、「どなたかが再開してくれれば」と期待する
(記事の引用ここまで)
個人的には、この記事で紹介されていた閉館した老舗温泉の中では、北海道長沼町の「馬追温泉旅館」に行ったことがあります。
旅館の外観写真や浴室入口の写真を撮った記憶があるので、ハードディスクに格納してある古い画像をチェックしましたが、見つけることができませんでした。
若干、あいまいな記憶をたどれば、確か、長沼方面に仕事で行った際に、札幌までの帰り道を車で走っていると「馬追温泉」の看板を見つけて、「仕事も終わったことだし、日帰り入浴して札幌に帰ろう」とサクッと立ち寄ったのです。
日帰り入浴料金は、確か500円。
浴槽は、そんなに大きくはありませんが、平日の夕方だったので、私以外に、地元のお年寄りが1~2人いたぐらいで、ゆったり、のんびりできた記憶があります。
ただ、「宿泊する人はいるのかなぁ」とも感じました。
札幌市内から車で1時間ちょっとの距離なので、「ちょっとドライブ」といった人はまず、泊まることはりません。
また、道外からの観光客であっても、隣の由仁町には、「ユンニの湯」という宿泊のできるきれいな温泉施設があります。
そのため、「秘境感漂う秘湯の一軒宿」には、相当の「温泉マニア」でなければ、宿泊しようとは思わないかもしれません。
私も、かなりの「温泉好き」ですし、シャワーがないようなただ浸かるだけの秘境温泉にも行ってみたい、と思います。
しかし、それは「入浴してみたい」と思うだけで、私を含めて多くの人が、宿泊するとなると、テレビやインターネット環境が充実しているホテルや旅館を選んでしまうのではないでしょうか。
全国のこうした秘境の温泉旅館は、施設の築年数が50年を経過し、
・後継者がいない
・リニューアルや建て替え費用が工面できない
・建て替えして営業しても日々の運営費用が捻出できる程度で儲けはない
といった状況なのでしょう。
経営的には、温泉施設を何店舗も運営しているような大資本の会社が買い取って現代風にリニューアルすれば、ある程度の収益は見込めるかもしれません。
しかし、それでは「秘境感ただよう秘湯旅館」の雰囲気はそこなわれ、元の温泉旅館とは全く違う営業形態になるので、それはそれで寂しい限りです。
私が仮に、こうした秘湯旅館の主だったとしても、おそらく、「閉館」という選択をするのではないかと思います。
旅行雑誌にじゃんじゃん取り上げられるような一部の「秘湯旅館」を除いて、こうして「知る人ぞ知る」的な個人経営の温泉旅館は、寂しいことですが、どんどん閉館していくんでしょうね。
昭和の雰囲気が漂う旅館は、今のうちに機会を作って利用しておこう、と思います。
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