ここ数年、デザイン思考という言葉を聞く場面が増えてきています。
その理由は、
・GoogleやAppleも取り入れている考え方
・イノベーションを起こすプロセス
として、多くの企業やビジネスマンが関心を持つようになったからでしょう。
以下にデザイン思考について、簡単にまとめてみました。
◆デザイン思考とは何か?
→問題解決のプロセス
→ユーザーの本質的なニーズを見つけ、イノベーションを起こすプロセス
◆デザイン思考が注目されている理由
・イノベーションを促進する
・良いアイデアが生まれやすい
・遊び感覚でアイデア・イノベーションを生み出す
・強い組織ができる
といった効果が期待できるため
◆デザイン思考の5段階のプロセス
①共感
②問題定義
③創造
④プロトタイプ
⑤テスト
という順序で実現される
◆5段階のプロセスの概要
①共感
ユーザーからスタート
→既存の製品・サービスをどのように利用しているか
→どのようなことに不満を持っているのか
→気づかなかったこと、わかったニーズを些細なことでも書き出す
②問題定義
→何が問題、何が課題なのかを明確にする
「問題の明確化のポイント」:3S
1.Short(短く)
2.Specific(具体的に)
3.Sexy(魅了的に)
③創造
→問題に対する解決策を検討
→解決策のアイデアは「質より量」で洗い出す
→有望そうなアイデアは、プロトタイプに持っていく
④プロトタイプ
→創造段階で出たアイデアを形にする(モノの場合)
(サービスの場合はアイデアを具体化し試行)
⑤テスト
→テストしてフィードバック
→開発チームでは気づかなかったことを洗い出す
→プロトタイプを改良する
→「設計プロセス」でいえば「妥当性の確認」
それでは、デザイン思考を用いて製品が開発された事例を、「iPod」で考えてみたいと思います。
①共感
→既存の音楽プレーヤーとその利用状況を調査
→聞きたい音楽を聴くためにMDを取り換える作業が必要
→CDからPCに取り込んでプレーヤーに入れ直す作業がある
→たくさんの曲がプレーヤーに取り込めない
②問題定義
→簡単に音楽が取り込めるプレーヤー
→沢山音楽を入れることができるプレーヤー
③創造
→簡単に操作ができるクイックホイール
→PCにつなぐだけで自動的に同期ができるAuto-Sync
→聞きたい曲を探しやすい画面サイズやすぐに見つけ出せるUI
④、⑤プロトタイプ/テスト
→良いアイデアはすぐプロトタイプにしてメンバーでテスト
→クイックホイールはプロトタイプ制作の繰り返しの中で誕生
それにしても、1990年代後半からこの約 20 年の間にビジネス書の中で注目を浴びた代表的な「ビジネスにおける問題解決のための思考法」として、
1)論理的思考
2)デザイン思考
3)スタートアップ思考
などがコンサルタントを中心に紹介されてきました。
これらの違いは、ひとことでいえば、「人の視点に違い」ではないかと思います。
結論から言えば、
・論理的思考→三人称
・デザイン思考→二人称
・スタートアップ思考→一人称
だと思います。
論理的思考は、論理に飛躍があっては、その結論について、誰かと共有することができません。したがって、論理的思考は、データの分析、問題点の整理と実行へのブレイクダウン、自分の考えを相手にしっかり伝えるといった点で効果を発揮します。
つまり、新たな発想や企画が実行可能かどうかを検証するときに有効です。
逆に言えば、、ビジネスの新しい発想を論理的思考に過度に期待するのは、難しいかもしれません。
デザイン思考の場合は、取り組む課題は「顧客」(あなた)の課題であり、誰かの課題をいかに早く解くかになりがちな印象があります。
つまり、「自分の意志」よりも「相手の課題」を重視する視点なので、デザイン思考は、相手や顧客といった「あなた」に共感して入り込む「二人称的なもの」であると思います。
スタートアップ思考については、機会をあらためて説明したいと思いますが、「君はどうしたいのか」「君だけの洞察は何か」という、自分だけの問題を突き詰めようとする思考なので、一人称的な思考なのです。
これらの思考は、例えば、
「新たに成長する自社の柱となる新規事業を作りたい」
というような時に、
・スタートアップ的に自分だけの秘密や自分の意志からまずものごとを思考
次に、
・デザイン思考を使って顧客のニーズを汲み取って製品や機能を作る
併せて、
・論理的思考を使って分析し、筋道を立てて関係者に伝えながら着実に実行していく
という流れになるのではないかと思います。
つまり、ビジネスを成功させるときには、これらの考えを組み合わせて考えることが必要なのです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ618号より)
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