環境マネジメントシステムの要求事項の一つに「緊急事態の管理」があります。
環境マネジメントシステムにおける「緊急事態」とは、
・地震や台風など災害に襲われ、環境影響が生じる可能性が高まる状態
・火災の発生や交通事故を引き起こしたり、巻き込まれることで、環境影響を生じる可能性が高まる状態
をいいます。
関係性を整理すると、
「緊急事態」を原因として「事故」が発生し、「事故の結果」として、大気汚染や油の流出による水質や土壌汚染といった環境への悪影響が生じるのです。
つまり、「緊急事態」や「事故」が実際に起きた時に生じる環境影響を最小限に抑える活動が「緊急事態への対応」なのです。
いわずもがなですが、組織が社会に対する環境責任を果たすために、
「どのような緊急事態や事故に対応することが必要か」
を決める経営判断が「手順を作り、模擬訓練を実施するなどの管理すべき緊急事態及び事故の特定」といえるでしょう。
なお、少々、脱線しますが、環境マネジメントシステムにおける「緊急事態の対象」は、「環境マネジメントシステムで対処すべき緊急事態に限られる」と考えられます。
ただ、微妙なのが、「一見、環境影響を伴わない緊急事態への対応」です。
よく事例として挙げられるのが「情報の流出の発生」です。
一般論ですが、「情報流出」があった場合、生じる影響としてすぐに思い浮かぶものは、
・個人情報の漏洩による被害
・企業の経営情報やノウハウ、製品開発情報といった機密情報の漏洩による被害
です。
私見ですが、「情報流出による影響」を上記のように捉えるだけなら、情報流出による環境影響がない(または不明)ので、「環境マネジメントにおける緊急事態」にはならないでしょう。
「環境マネジメントの範疇として管理する」必要が生じる分岐点は、「情報流出による環境影響の明確化の有無」でしょう。
つまり、「情報流出による環境影響」が特定できるのであれば、緊急事態のひとつとして捉えれば(管理すべき緊急事態か否かは別にして)いいのです。
話題を「緊急事態」に戻しますが、組織の環境マネジメントシステムの改善アドバイスをしていて気になるのは、
・建物の使用年数
・設備の使用頻度
・建物や設備、材料置場のレイアウト
といった状況が緊急事態発生の可能性の評価としてあまり考慮されていないことです。
例えば、火災の発生には、漏電がありますが、電気設備の老朽化が原因の漏電もあれば、災害時の設備や配線の損傷に伴う漏電もあるわけです。
つまり、こうした状況の違いにより、緊急事態発生の可能性は変わるはずです。
内部監査を担当されている方は、こうした点が緊急事態の特定手順や管理手順で考慮されているか、チェックすることをお勧めしたいと思います。
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