組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。
このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。
今回のテーマは、「一時的サイトの審査方法」について。
ISO審査登録機関(認証機関)に要求されている規格やIAF基準文書として、ISO/IEC17021-1:2015やIAF MD 1:2018があります。
この中では、認証機関は、組織が常設サイト以外で活動する「一時的サイト」の活動についても、きちんと審査しなさいと規定されています。
ISO/IEC17021-1で「一時サイト」の記述が出てくる部分は、大雑把に書くと、
・定期審査の頻度を決めるとき
・審査計画を計画するとき
・審査報告書を作成するとき
に考慮したり、明確にすることが規定されています。
ちなみに、IAF規準文書のひとつであるMD1では、一時的サイトについて、
《一時的サイト》
依頼組織が、限られた期間内、特定の業務の実施又はサービスの提供を行うサイト
(物理的又は仮想的)で、常設サイトとなることが意図されていないもの
と定義されています。
つまり、工場や事務所のように常設されたサイトではないものをいいます。
具体的には、例えば、
◆建設業における現場事務所や施工現場
◆ビルメンテナンス業における清掃現場
◆設備保守管理業における保守現場
◆輸送サービスにおける積込、荷降し現場
◆冠婚葬祭業における葬祭現場
◆イベント運営会社におけるイベント会場
◆会計事務所における関与先での業務
◆セミナー会社における企業先セミナー会場
◆映像制作会社における撮影現場
◆医療、介護における訪問現場
・・・
など、挙げていけばきりがありませんが、多種多様です。
MD1では、一時的サイトについて、
「組織のマネジメントシステムに含まれる一時的サイトは、マネジメントシステムの運用と有効性の証拠を提供するため、サンプリングに基づく審査の対象にしなければならない」
と規定されています。
また、ISO/IEC17021-1では、
「代表的分野及び機能が定期的に監視されるように、そのサーベイランス活動を開発しなければならない」
との規定があります。
つまり、認証機関は、
・一時的サイトをサンプリング審査の対象とする必要がある
・組織における一時的サイトの種類や機能を洗い出して代表的なものを審査する必要がある
ということになります。
要は、総合建設業の建設現場であれば、例えば、土木工事ばかりでなく、建設工事もちゃんとサンプリングして、しかも、マネジメントシステムの運用と有効性を確認するために代表的な活動を審査しなさい、という意図だと思います。
したがって、整理すると、一時的サイトに関する審査では、
・一時的サイトの審査が審査プログラムで適切に計画されているか
・審査報告書に審査した一時的サイトの場所や日時が記載されているか
・現地審査で適切な一時的サイトの審査が実施されているか
・認証書へ一時的サイトを記述する場合の記述内容の適切性
といった点がポイントになります。
「現地審査で適切な一時的サイトの審査が実施されているか」ですが、例えば、輸送サービスの積込、荷降し現場であれば、
・荷主とのコミュニケーション
・駐車する車両の安全確保や法令順守
・安全かつ効率的な作業か否か
・業務マニュアルや輸送計画に沿った活動か否か
・荷物の引き渡し確認
・ドライバーに対する教育訓練内容の周知状況
・苦情や貨物事故、車両事故の再発防止策の周知と徹底度合い
といった点は、しっかり確認する必要があるでしょう。
それと、一時的サイトでの審査を計画する場合、通常現場が「組織の顧客先」であることが多いので、認証機関は、組織を通じて日程調整やその了解を取り付けることも、審査方法に関するノウハウのひとつと考えた方が良いと思います。
このように考えていくと、なかなか、一時的サイトでの活動を監査するのは、常設サイトと比較して厄介な面も多々あると思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ595号より)
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