2018年9月4日~5日にかけて、四国、近畿地方を中心に台風21号が日本列島に猛威を振るいました。
ニュース報道だと、最大風速が44~54メートルの非常に強い勢力を維持したまま台風が上陸するのは、1993年9月3日に薩摩半島に上陸した台風13号以来25年ぶりだそうです。
この1993年の台風13号は、死者48人、負傷者396人とされていますので、今回の台風21号による「死者6人、重体1人、負傷者163人」と比較すると、台風が上陸した場所もコースも違うので一概に比較はできませんが、比較的、被害は抑えられたといえるのかもしれません。
しかし、台風による大問題が発生しました。
それは、「関西空港の冠水」と「関西空港への連絡橋にタンカーが衝突し交通が遮断された」ことです。
メディアの報道によると、タンカーの連絡橋衝突は、
◆9月4日13時半頃、タンカー「宝運丸(ほううんまる)」が連絡協に衝突した
◆宝運丸は、全長89メートル、2591トン
◆タンカーは、積み荷の航空燃料を関空に下ろし、連絡橋南側の海上で錨をおろして停泊中
◆台風の風に流され連絡橋に衝突したが、乗組員11人にけがはなく、燃料の流出もない
◆宝運丸が衝突したのは関空側から20メートル付近
◆船体の右舷側が連絡橋と並行の状態でぶつかった
◆ブリッジが連絡橋にめり込み、連絡橋の一部がひしゃげるようにして壊れた
そうです。
朝のワイドショーでは、壊れた連絡橋の修復には、数か月単位の日数を要するそうで、その間、見た目は破損していないとされる反対側車線の道路を交互通行して車両の往来をさせるとしても、1週間単位で、混乱は続くでしょう。
また、道路の下を走る南海とJRの線路の状況も心配です。
それにしても、素人考えですが、なぜ、航空燃料をおろして、軽くなった船体を、連絡橋から見て風上である南側の海上に停泊させたのでしょうか?
軽くなったタンカーが台風の強風に押されて、連絡橋に衝突することは、予測できたはずです。
仮に、数か月単位で、関西空港の機能がマヒしたとしたら、宝運丸の運航管理会社に対する損害賠償請求は、天文学的な数字になる気がします。
ちなみに、今回の「タンカー衝突」と似た事故として、2008年8月3日に首都高で発生したタンクローリー横転炎上事故が思い出されます。
この事故を少し振り返ると、
◆炎上した事故を巡り、首都高速道路が復旧費用など損害賠償を求めた
◆裁判所は、多胡運輸と運転者に32億8900万円の支払いを命じた
◆荷主(出光興産)と元請運送会社(ホクブトランスポート)の責任は問われなかった
◆多胡運輸が加入していた関東交通共済協同組合2015年6月に、11億8千万円を日本高速道路保有・債務返済機構に支払っている
◆タンクローリーは、江東区の油槽所からさいたま市のガソリンスタンドに輸送中
◆輸送内容は、ガソリン16キロリットル、軽油4キロリットル
◆8月3日午前5時52分、5号池袋線下りを走行中、熊野町ジャンクションカーブを曲がり切れず横転
◆積み荷は5時間半以上にわたり炎上し、路面がゆがみ、橋桁が変形し、近隣のマンションの外壁も焼けた
◆首都高の全面復旧まで2カ月半かかった
・・・・・
というような内容でした。
この判例を例に考えると、台風という「災害」に対する「事故予測ができたか否か」が裁判の争点になると思いますが、仮に、「事故は事前に予測できた」と考えると、賠償責任は、船会社と船長に及ぶ気がします。
いずれにせよ、関西空港連絡橋と冠水した関空の早期復旧を願いたいですね。
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