2018年8月23日付の産経新聞が、
「画像診断ミスは熟練医も 情報過多、追いつけず 見落とし阻止へ進むAI開発」
という見出し記事を報道していました。
記事によると、(一部編集)
◆画像診断でがんなど病変の見落としが続発している
◆日本医療機能評価機構の調査によると、見落としは医師の経験年数に関係なく発生している
◆背景には、画像診断技術が高度化したことで医師が扱う情報量が著しく増加した
◆ベテラン医師でも情報量の多さに消化しきれていない現状がある
◆人の目に全面的に頼らず、人工知能(AI)による診断開発も進んでいる
◆厚生労働省は抜本的な再発防止対策に乗り出した
そうです。
記事では、日本医療機能評価機構が、平成27~29年の3年間に発生した32件の画像診断による病変見落としの経験年数について
・1~5年=7人
・6~10年=6人
・11~15年=7人
・16~20年=4人
・21~25年=4人
・26~30年=7人
と、ほとんど偏りがなかったそうです。
また、32件の見落としのうち「撮影目的の部位のみ確認した」が27件で、「医師の目が広範囲に届いていなかった」と分析しているようです。
さらに、公的資金で行う肺がんの検診は40歳以上が対象で年1回行われており、厚労省によると、肺がん検診は平成27年度に全国約420万人が受診しているそうです。
そして、医療機器の性能も向上しており、画像診断の検査では、息を1回止める間に、数百枚以上の撮影が可能となったそうです。
しかし、殆どの医師が、自分の担当領域を見ることに腐心し、十分な知識のない他の領域に映った病変の発見に及ばない恐れがあるそうです。
要は、見落としの原因として
◆画像診断技術の向上に伴う情報過多
◆膨大な情報を処理する他分野の専門医師との連携
ということなのでしょう。
確かにこうした状況の改善の近道は、人工知能による診断でしょう。
これまでの医療現場での事例について、膨大な情報に基づきAIが診断すれば、これまでにない特殊な事例など、結果として「見落としがゼロ」にはならないかもしれませんが、限りなく、見落としを防ぐことはできるでしょう。
話は変わりますが、現在、フジテレビ系で放映中の山崎賢人さん主演のドラマ「グッドドクター」が放映中で、この主人公が、サバン症候群の医師です。
サバン症候群は、映画「レインマン」などでも広く知られているように、「知的障害や発達障害などのある者のうち、ごく特定の分野に限って優れた能力を発揮する者の症状」です。
ドラマでは、他の医師が画像診断で気づかなかったことを、主人公は、類い稀な記憶力による情報量で、的確に診断します。
実際には、この主人公のような医師はなかなかいませんし、医療が専門化し、高度化している現状から、育てることも困難でしょう。
厚労省の取り組みに期待です。
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