2018年7月23日付の朝日新聞が、
「JIS認証機関が無資格・手抜き審査 英大手の日本支店」
という見出しの記事を報道していました。
記事によると(以下、記事を引用)
◆不正な審査をしていたのは、世界75カ国以上で規格の認証を手がける英国の大手機関「ロイドレジスタークオリティアシュアランス リミテッド(LRQA)」の日本支店
◆LRQA日本支店は、18世紀に船級協会として創立され、品質管理に関する認証機関の草分け的存在であるロイドレジスターグループの子会社
◆朝日新聞が入手した内部資料によると、航空・宇宙関連企業3社から依頼を受け、品質管理の仕組みを定める国際規格「ISO9001」に、航空宇宙産業で必要な項目を追加した規格「JISQ9100」に関する審査を昨年実施
◆複数の韓国人審査員が審査を担当したが、経歴が不十分で無資格だったり、所定の訓練を受けていなかったりする人物が含まれていた
◆審査員がまとめた報告書が適正かどうかをチェックする工程を省略した不十分な審査も複数見つかった
◆内部資料によると、LRQAは審査の手続きが不十分なまま、依頼を受けた企業に認証文書を発行しており、こうした不正行為は日本支店の代表者(当時)も了承していた
◆認証機関が適正に活動しているかをチェックする公益財団法人「日本適合性認定協会(JAB)」が問題を把握し、意図的な不正で重大な悪質性があったと結論づけた
◆JABは、LRQAに対し、認証機関としての認定を取り消す処分を7月12日に出した
◆処分をしたことはホームページで7月19日に公表したが、機密情報にあたるとして詳しい処分理由は説明していない
◆JABの処分には審査業務を停止させる強制力がないため業務は継続できるが、LRQAは6月、「JISQ9100」の認証業務から撤退すると表明した
◆LRQAは2016年11月、アルミ製品の検査データ改ざんが発覚した神戸製鋼所大安工場に対し、JISとISOの認証を一時停止する処分を出していた
◆銅管を製造する北九州市の神鋼子会社についても、2018年2月にJISとISOの認証を取り消している
◆LRQAは不正や処分について、「お客様との守秘義務の関係上、情報をご提供することは差し控えます」としている
(引用ここまで)
早速、LRQAのウェブサイトを見てみると、
(以下、引用)
本日7月23日付け朝日新聞朝刊にて弊社に関する報道がございました。
現在社内で事実確認作業等を行っております。
確認作業結果に関しては判明次第、ホームページで更新して参りますのでよろしくお願いいたします。
この度はお客様をはじめ関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
(引用ここまで)
という文章が掲載されていました。
朝日新聞の記事を見て、私の知る限り、「本当なの?」というのが、
「JABが問題を把握し、意図的な不正で重大な悪質性があったと結論づけた」
という点です。
JABのウェブサイト等による公式発表では、「LRQAの停止、取消について、JABが、不正との関係や理由について一切発表されていない」からです。
仮に、記事で書かれているようなことが事実だとしたら、朝日新聞が掲載した記事の情報源は、JAB?LAQA?あるいは、記者の憶測?といったことが想像されます。
また、LQAQのウェブサイトには、JIS Q 9100の認証サービスを提供していないはずなのに、LQAQ日本支社が、サービスを提供しているかのような記述もあります。
(筆者注:7月23日の17時にLQAQ日本支社のウェブサイトを確認した時点では、JIS Q 9100の記述は消去され、AS9100についてのみ英国サイトを参照する形式に内容が改訂されて紹介されている)
ツイッターやヤフーニュースのコメントだと、
「第三者が審査できるわけがない」
「ISO認証企業に問題があっても認証機関は責任を取らない」
「ISOはぼったくり商売」
「なぜ韓国人が審査しているのか?」
・・・
といった声が世間からは多く発信されていました。
認証機関のLAQAや認定機関のJABは、今後、朝日新聞の報道について、なんらかのコメントを発表すると思いますので、注目したいと思います。
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